東証の要請で多くの企業が取り組む決算の早期化。しかし成功している企業は多くないようだ。決算が早い企業と遅い企業は何が異なるのか。公認会計士の武田雄治氏が解説する。
多くの経理部が抱える課題の1つが決算の早期化ではないだろうか。東証は30日以内の決算開示を推奨しているが大半の企業は41〜45日での開示となっている。11月21日に都内で開催された「TKC決算早期化セミナー」で講演したアガットコンサルティング 公認会計士の武田雄治氏が決算早期化を実現するためのポイントを説明した。
武田氏によると東証上場企業のうちで30日以内に通期決算の開示ができている企業は20%程度。この割合は2005年から変わっていないという。その上で「決算発表が早い会社と決算発表が遅い会社の違いは何だと思いますか?」と問いかける。
決算は大きく分けて「単体決算」「連結決算」「開示業務」「会計監査」の4つの作業がある。決算開示が早い企業はこの4つの作業が滞りなく、手戻りもなくスムーズに流れているのが特徴。「決算はタスキリレーが重要。各プロセスの間に空白をおかないようにするのがポイントだ」(武田氏)。
対して決算が遅い会社はそれぞれの作業にボトルネックが存在し、時間がかかりすぎている。また作業と作業の間に空白期間があり、時間を無駄にしているケースもあるという。決算早期化というと取りあえず単体決算を早めることに注力する企業が多いが、実は別の作業フェイズにボトルネックがあることも多い。「ボトルネックは100社あれば100パターンある」(武田氏)。
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