材質の触感と指先のジェスチャーを認識
何でもタッチ操作対応スクリーンにする指先装着デバイス「Magic Finger」
Windows 8の登場でタッチ操作に対する関心が高まっている。だがそのためにはタッチ操作対応スクリーンが必要だ。タッチ操作非対応の端末でも、タッチ操作を行う方法はないのだろうか。
スクリーン側ではなく、指側でタッチ操作を認識するという発想の転換
タッチ操作技術はこの10年で大きく普及した。けん引役となってきたのは米Appleだ。しかしこの技術は「タッチ入力を認識できるスクリーン」という利用要件がある。そしてタッチ操作対応スクリーンの価格はまだ高価だ。
では、タッチ操作非対応の端末でタッチ操作技術を利用する方法はないのだろうか。例えばWindows 8をデスクトップPCにインストールしたが、タッチスクリーンやトラックパッドといったタッチ操作対応デバイスがないような場合だ。そうした問題の1つの解決策となるのが、米Autodeskの新しいデバイスだ。
Autodeskはエンジニアや建築家が使うCADソフトウェア「AutoCAD」で有名なベンダーだ。同社の研究者は米国のアルバータ大学、カナダのトロント大学と協力し、「Magic Finger」というデバイスを開発した。
Magic Fingerは指先に装着して使うデバイスで、指の腹を覆うくらいの大きさがある。マウスのように光を発し、指先の動きを追跡、認識することで、タッチ操作さながらの操作感を実現する。このデバイスは2012年10月、マサチューセッツ州ケンブリッジで開催されたユーザーインタフェース技術のシンポジウム、「ACM Symposium on User Interface Software and Technology(UIST)」で初めて披露された。Autodeskの研究者、トビ・グロスマン氏は、シンポジウムでMagic Fingerについて次のように解説した。
「現在、タッチ操作はタッチ操作対応デバイスでしか使えない。われわれはタッチ操作対応デバイスではなく、指に装着したデバイス側でタッチを認識させるようにした。つまり、タッチ入力の対象を従来とは逆にしたわけだ。これによって、ユーザーが使っているあらゆるデバイスが、タッチ操作による入力を受け取ることが可能になる」
触った素材の触感と指先のジェスチャーを認識
Magic Fingerには超小型のマイクロRGBカメラと光学センサーが装備されている。このカメラはタッチする表面が何であれ、タッチ対象の「触感」と「指先のジェスチャー」を認識する。グロスマン氏は、「カメラは32種類の触感を99%の精度で認識し、ユーザーは“きめの種類に応じたアクション”をプログラミングできる。例えば、建築家が建物の中を歩いていて、気に入った素材に触るとMagic Fingerがそれを認識し、AutoCADを使った設計にその素材を追加したり、発注を行ったりすることができる」という。ジェスチャーについては、例えば1方向にスワイプするなど任意のジェスチャーにより「着信をボイスメールに転送する」「電話に出る」といったことが可能になる見通しだ。
Magic Fingerはプロトタイプであり、まだ研究開発の初期段階にある。グロスマン氏は「市場に登場するときには、OSの制限がない製品になっているだろう。また、他のデバイスとの通信にはBluetoothを使う可能性が高い。当面はさらなる微細処理が大きな目標だ」と話す。現状では、Magic Fingerを指に装着するとタイピングに難儀しそうだが、最終的には「邪魔にならず、日常的に使えるものにしたい」という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
-
10
「RAGの利用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー