原因はジェネレーションギャップ?
スマートフォンに夢中になれないベテラン管理者の事情
企業内端末として存在感を高めつつあるスマートフォンやタブレット。一方、古株の端末管理者は、こうした新たな端末の管理に必ずしも前向きではないようだ。そこにはある事情があった。
モバイル端末が企業に浸透するにつれてITの業務内容は変化し、デスクトップ管理者もこの流れに乗らざるを得なくなっている。
BYOD(私物端末の業務利用)制度を正式に導入していない組織でも、管理者は従業員によるスマートフォンやタブレットを使った企業データへのアクセスに対応しなければならない。ほとんどのユーザーはモバイル端末だけでなく従来のデスクトップPCも使っているため、どの端末でも一貫した管理、サポート、セキュリティを実現しなければならない。
「デスクトップOSしか扱わないとしても、管理の未来はモバイルモデルに向かっている」。こう話すのは、米ワークスペースソフトウェアベンダーであるMoka5の創設者で最高情報責任者(CIO)のジョン・ホエーリー氏だ。「アプリケーションストアやアプリのサンドボックス化といった概念を学ばなければ、取り残されてしまう」
米TechTargetが2013年7月に米シカゴで開催した「BriForum 2013」に参加したデスクトップ管理者たちは、「最近、モバイル関連の職務を追加で引き受けざるを得なくなってきた」と話す。現在、多くの組織がデスクトップ担当チームとは別にモバイル担当チームを設けているが、この2つのチームを統合すべく取り組んでいるところもある。
米保険会社Jewelers Mutual Insurance Companyでシニアテクニカルアナリストを務めるケイシー・ホーキンソン氏は、次のように語る。「モバイル関連業務はデスクトップ担当チームが吸収している。当社は、モバイル関連タスクはエンドユーザー満足度に関わると捉えている。エンドユーザーにとって、モバイルは今までの延長にすぎない」
米ニューヨーク州会計監査局のコンピュータスペシャリスト、マイケル・ブルー氏は、もともとデスクトップ管理者だが、1年ほど前から自分のチームのBlackBerryの管理を担当している。ブルー氏の部門には、いずれはデスクトップチームと連携する独立したモバイル担当チームが設置される見込みだ。
「デスクトップ管理とモバイル管理が連携するのは理にかなっている。デスクトップの提供は、つまるところアプリの提供にすぎない。モバイル端末管理者の仕事も同じく、エンドユーザーにアプリを提供することだ」とブルー氏は言う。
「アプリの提供とモバイル端末を掛け合わせるとさまざまな相乗効果が得られる。双方が互いに影響を及ぼすのは明らかだ」(同氏)
デスクトップ管理者はモバイル関連業務に消極的
ただし、相乗効果を実現するには、幾つか課題が立ちはだかる。
デスクトップの利用形態はモバイルに近くなり、アプリデリバリーに重点を置く方向に変化してきたと考える人は多いが、誰もがそのような見方をするわけではない。昔ながらのデスクトップ管理者の中には、モバイル管理に前向きではない人もいる。
「こうした管理者は、モバイルを一時的なブームだと考えている。トレンドを認識できないのだ」とブルー氏は言う。
ブルー氏はさらに、「エンタープライズモバイル管理市場は成熟しきっていないし、印刷など問題の幾つかが解決されるまで、従来のデスクトップ管理者の多くは古い枠から抜け出さないだろう」とも指摘する。
ジェネレーションギャップが存在することも多い。長年デスクトップ管理者を務めてきた人たちは、若い世代の管理者のように普段の生活でコンシューマー端末を使っていないと思われる。
「年齢が高い世代は、最後まで手を出さない場合もある」(ホーキンソン氏)
現在提供されているモバイル管理ツールが複雑なことも、さらに手を出し難い雰囲気を生み、そこまで高度なものは会社に必要ないと、古株のデスクトップ管理者が考える可能性もある。
だが米Ericom Softwareの最高技術責任者(CTO)であるダン・シャピア氏は、「会社がモバイル端末管理(MDM)ツールやモバイルアプリ管理(MAM)ツールを必要としなくても、デスクトップ管理者は日々のモバイルメールのニーズとExchange ActiveSyncに対応しなければならないだろう」と話す。
シャピア氏によると、デスクトップ担当者の職務内容が変わっていくのは間違いないが、実際に必要なのは、肩書を少し変えることだけだという。
「彼らは『デスクトップ管理者』と呼ばれているかもしれないが、実際にはエンドポイントの管理者だ」(シャピア氏)
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