Uptime Instituteの年次調査から、企業のIT投資動向に変化が見られた。自社データセンターからクラウドやコロケーションなどアウトソースへのシフトは企業に何をもたらすのか?
米Uptime Instituteが毎年実施しているデータセンター業界動向調査から、IT投資先が自社所有のデータセンターから、SaaS(software as a service)、クラウドコンピューティング、マルチテナントのコロケーション、ホールセール(卸売り)型データセンターサービスなど、アウトソースを活用する方向へシフトしていることが分かった。
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3回目となるこの年次調査によると、2013年春までのデータセンター関連投資は世界全体で増え、データセンター担当組織に割り当てられた予算は2011年の27%、2012年の32%から36%に伸びた。
しかし、予算が増えたのは主にサードパーティーのサービスだ。約63%がサードパーティーのデータセンター予算を前年から大幅に引き上げているが、企業内データセンターに対して大幅に予算を増額したのは25%にとどまっている。
実際、2011年以来、予算が削減される企業内データセンターは増える傾向にあり、2013年は回答者全体の21%に跳ね上がった。
Uptime Instituteのコンテンツおよびパブリケーション担当ディレクター、マット・スタンズベリー氏はこのデータから、サードパーティーのデータセンターサービスプロバイダーの成長が、企業の社内ITを犠牲にして成り立っていることがうかがえると話す。これは企業内データセンターの終わりを示すものではないが、警鐘と受け止められるべきだとスタンズベリー氏は言う。
Uptimeによると、企業内データセンターを運営しているのは、銀行、メーカー、医薬、小売、教育、行政などの業界だという。2011年11月に実施したUptimeの調査では、企業の85%は既存の社内ITインフラを補完する目的でしか、サードパーティーのサービスを使用していなかった。しかし現在は、サードパーティーのプロバイダーではなく、企業内のIT担当者が存在価値をアピールしなければならなくなっている。
「企業内データセンターの管理者は、コストとパフォーマンスのデータを集めて業務部門に自分たちの価値をアピールし、サードパーティーのサービスに対抗していく必要があるだろう」(スタンズベリー氏)
概して企業内データセンターの管理者は、定期的にリポートを提出する習慣がない。だが、サードパーティープロバイダーは、頻繁にコストおよびパフォーマンスリポートをCIOに提出する。この点が、サードパーティーサービスの効率の良さと併せて、現在の投資動向の変化の要因になっている可能性がある。
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