CIOは取締役会でどう振る舞うべきか? 増す重要性とその役割デジタルトランスフォーメーションの推進役

デジタルトランスフォーメーションなどビジネスのIT活用が次のレベルに進むに伴い、CIO(最高情報責任者)の重要性が増している。重要な経営判断を行う取締役会においてもCIOの発言が求められている。

2018年05月14日 05時00分 公開
[Mekhala RoyTechTarget]

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 技術によるデジタルトランスフォーメーションやイノベーションが加速するのに伴い、企業の取締役会レベルでは、新興技術を導入し、カスタマーエクスペリエンスを高めるなどの話題が取り上げられるようになってきている。

 この変革においては取締役会におけるCIOの発言がこれまで以上に重要になる。

 「今こそ、知識豊富な技術者を取締役会の席に着かせ、取締役会で飛び交うたくさんの専門用語に起因する話の分かりづらさという霧を晴らしてもらう必要がある」と、Azimuth Partnersの業務執行役員であり、元CIOのバージニア・ギャンバレ氏はArgyle主催の最近のWebセミナーで述べた。

 業界に関係なく、依然、取締役会にCIOが出席することは多くなく、これは残念なことだとパネリスト一同は口をそろえる。オースティン市のCIOであるスティーブン・エルキンス氏によると、CIOの席がない場合、企業文化やCIOによる報告が重要な役割を果たすという。

 「CIOを取締役会の席に着かせていないなら、CIOは取締役会へ続くドアを破壊し、自分の席を作らなければならない。重役レベルでは、CIOが席についている価値をまだよく理解できていない場合もあるからだ」とエルキンス氏は言った。

 別の要因としては、CIOが日々多忙過ぎて長期的な戦略を練ることができない、または技術が自社のビジネスモデルをどのように変えるかについて明確ではっきりとしたビジョンを単純に描けていない場合も頻繁に見られるとE. & J. Gallo WineryのCIOであるサンジェイ・シュリンガピュア氏は言う。

 「私が関わったCIOのほとんどが、しっかりとしたビジョンを持っていなかった。このビジョンなしでは取締役会の席を獲得することはないだろう」とシュリンガピュア氏は語った。

 取締役会でCIOの席がないということは、その企業が技術への投資を減らすことを意味するとサンフランシスコ地区検察局のCIOであるハーマン・ブラウン氏は言う。取締役会でCIOの席があれば、ツールやソリューションを統合する利点を説明でき、そういった利点によって企業がコストを減らす仕組みを説くことができるとブラウン氏は補足した。

CIOが取締役会で果たす役割を高めるには

 現職のCIOはご用聞きではなく、より戦略的なビジネスパートナーとなる必要があるとエルキンス氏は言う。そうなるには、取締役会に席を獲得し、戦略的な会話に不可欠な存在となるのがよい。

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