キヤノンが3次元データを活用して現実空間と仮想空間をリアルタイムに融合する映像システムの新製品を2013年12月に市場投入する。内覧会で実際に体験してみた。
現実の世界にコンピュータグラフィックス(CG)を合成するAR(Augmented Reality:拡張現実感)技術の用途が拡大している。コンシューマー向けではスマートフォン専用のAR対応カメラアプリが有名だが、ここに来て企業向け製品/サービスが市場に多く登場してきた。
そんな中、キヤノンは2013年12月、現実映像とデジタルデータをリアルタイムに融合する「MREALシステム」の新製品群を販売する。その利用シーンは、製品の設計・開発工程、デザインレビュー、シミュレーションのみならず、顧客セールスやプレゼンテーション、トレーニングに至るまでを支援するという。内覧会で実際に体験してみた。
MREALシステムは、1997年に始まった当時の通産省(現 経済産業省)傘下の基盤技術研究促進センターとキヤノンによる共同開発プロジェクト「MRプロジェクト」によって誕生した製品。4年間の研究の後、キヤノンが継承して実証実験や事業性検証などを行い、2012年7月に最初の製品となる、頭部装着型ディスプレー「MR Head Mount Display MREAL HM-A1」(以下、MREAL HM-A1)、映像の位置合わせ機能やインタフェース、制御機能などを搭載するソフトウェア「MREAL Platform MP-100」を販売開始した。
MREALシステムでは、現実空間の映像に仮想空間の情報(仮想物)を重ね合わせて表示する。例えば、製品のモックアップ(模型)を実寸大のサイズで確認できる。また、利用者の動きに合わせて仮想世界の映像が360度変化し、利用者が見たい角度から仮想物を観察することが可能だ。例えば、背が低い人と高い人とのユーザビリティの違いを確認できる。さらに感触はないものの仮想物をつかんだり、操作することも可能。
キヤノンによると「MR(Mixed Reality:複合現実感)とは、VR(Virtual Reality:仮想現実感)技術をさらに推し進めた現実空間と仮想空間を違和感なくリアルタイムに融合させる映像技術のこと」だという。MREALシステムの特徴として以下の3つを挙げている。
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