CIOによる適切なサービスの選定を支援するため、ファイル同期・共有サービスをいち早く導入した担当者の経験をForresterのアナリストが紹介する。
「Dropbox」や「Box」など数あるファイル同期・共有サービスは、ビジネスにおける最も重要な新ツールの1つになっている。こうしたサービスは、どんなコンピュータやタブレット、スマートフォンからでも個人のファイルにアクセスできるようにするための単純な手段として始まり、今や仕事用のファイル共有と利用のための非常に重要なツールになった。
Dropboxのユーザーは1億7500万人を超え、その多くは自宅と職場で利用している。Forresterの最近の調査では、世界のインフォメーションワーカーの25%がファイル同期・共有サービスを仕事に使っていると答え、2010年調査の5%から大きく増えた。
CIOは、多くの従業員が自分で使っているコンシューマー向けサービスを、企業向けソリューションに入れ替える必要に迫られている。Forresterは最善のソリューション選びを支援するため、16種類のファイル同期・共有サービスを評価した。
この過程で、サプライヤーを紹介してくれるさまざまな業界や地域の顧客31人から聞き取り調査を実施した。こうした企業は、従業員が同僚やパートナー、顧客との間で行う文書やリッチメディアファイルのコラボレーション作業を支援するため、いち早くファイル同期・共有サービスを導入してきた。
調査対象者は経験を通じ、ファイル同期・共有サービスで重視すべき点として、使いやすさ、サプライヤーとのパートナー関係、セキュリティ、価格を挙げた。特にコンシューマー向けのサービスは無料からスタートするものも多く、価格は常に取り上げられている。従ってここでは使いやすさとパートナー関係、セキュリティについて利用者の声を紹介する。
採用についての不安を口にする調査対象者も多かった。大半は、IT部門非公認のファイル同期・共有ツールを従業員が仕事用に使っていることを認識していた。そうした個人の選択肢に取って代わるためには、IT部門が提供するソリューションは簡単に使える直観的なデザインのものでなければならなかった。
ファイル同期・共有サービスのサプライヤーには、いつでも問題を解決できる用意が要る。Forresterが調査した企業向けクラウドソリューションのユーザーは、移行作業や管理の手間が掛からず、そのまますぐに使うことができたと語った。一方、オンプレミスソリューションの場合、時として、導入プロセスや移行に時間がかかるといった問題にぶつかっていた。
結果的に成功できたのは、サプライヤーとの緊密なパートナー関係があったからだと調査対象者は振り返っている。
企業の生命線である文書は、常にセキュリティ問題を抱えている。例えば、セキュリティとコンプライアンスに関する業界規制にどう対応するかについて多くを語る顧客の場合、プラットフォームをオンプレミスで運用するか、クラウドに置くかはセキュリティが決め手になることも多い。さらに選択が難しくなった要因として、当初の導入の範囲を超えて拡大する必要が生じた場合にセキュリティ上の新たなニーズが表面化することがある。こうなると、サプライヤーが追加的なセキュリティ対策を導入するまで顧客が拡大を待たされる状況になる。
調査対象のIT幹部はまた、セキュリティ対策やデータ保護と、従業員の使い勝手との間でバランスを取る必要があることも十分認識していた。このジレンマを繰り返し訴え、選定プロセスはコンシューマーと企業の両方の視点から見て、包括的な観点を確立することが大切だと強調した。ニーズを洗い出し、ソリューションを選定する際は次の3段階のステップを踏むよう助言している。
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