低価格製品、ビジネス向け製品が必要な理由
「200ドルiPad mini」「iPad Pro」が出たら買いますか? Appleの製品戦略を大胆予測
「iPad」の出荷台数が2四半期連続で前年を下回っている。米Appleは、低価格化やビジネス利用などタブレット市場が変化する中で、自社の製品戦略を見直す必要がある。同社が向かうべき方向を考察する。
米Appleのタブレット「iPad」の出荷台数が2四半期連続で前年を下回った。この事態を打開するには戦略の見直しが必要だ。
同社が発表した2014会計年度第3四半期(2014年4~6月期)のiPadの出荷台数は1330万台、前年同期の1460万台から9%減となった。同第2四半期(2014年1~3月期)のiPadの出荷台数は1640万台で、こちらも前年同期の1950万台から大きく減少した。同社が問題に直面しているのは明らかである。
現在、Appleは2つの側面で競争に直面している。1つは同社の小型タブレット「iPad mini」に対する低価格なAndroidタブレット。もう1つはタブレット「iPad Air」に対するWindowsタブレットだ。
これらの課題に立ち向かうためには、製品ラインアップの拡大が求められる。同社の販売戦略はこれまで、非常にシンプルな製品展開を基本として、幅広い消費者へ訴求してきた。だが最近では、より低価格なiPadやビジネスユーザー向けのハイエンドモデルを投入することが重要になってきた。
200ドルのiPadを開発すべき理由
Androidタブレットは登場した当初は不安定さがあったものの、現在ではiPadよりも売り上げを伸ばしている。Android端末の多くは非常に低価格で、中には150ドル未満という安価な製品もある。米国や欧州などの地域では、2台目や3台目のコンピュータとしてAndroidタブレットを購入し、テレビを見ながらインターネットをするといった簡単な用途に使っている。発展途上国では、1台目のコンピュータとして購入する人が多い。
Appleは、この市場で消費者に訴求できるタブレットを有していない。300ドルのiPad miniが最安価格であり、それでも競合製品との価格差は倍以上である。iPad miniは競合する超低価格タブレットよりも優れた製品だとする主張もあるだろうが、購入価格を抑えた“そこそこ”使えるタブレットに価値を見いだすこともできる。
Appleは、第2世代のiPad miniを投入する際に方針を誤ってしまった。「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の価格は400ドルで、従来モデルから25%の値上げとなった。同社は今、高価格なタブレットではなく、より低価格なモデルの投入を検討する必要がある。
第3世代iPad miniは今秋発表される見通しだ。その際には、前モデルを撤廃した上で新型モデルの価格を引き下げ、従来のiPad miniはそれよりもさらに10%ほど値下げして販売を継続するべきである。
最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏は長期的な視点に立ち、200ドルで販売可能なiPadの開発を進めなければならない。これは、プレミアムタブレットの購買層を狙った同社の戦略に反するが、昨今の販売台数の減少はこのアプローチがもう長く通用しないことを示している。
大画面と外付けキーボードが鍵となるビジネス向けiPad
Windowsタブレットは、iOSやAndroidほどの成功を収めているわけではないが、状況は変わり始めている。多くの個人および企業が、古くなったWindows 7マシンのリプレースメントとして「Microsoft Surface Pro 3」などのWindowsタブレットを検討しているからだ。
Appleは、対抗製品としてビジネスユーザー向けに設計したiPadを投入する必要がある。
米MicrosoftがiPad向けOfficeアプリ「Microsoft Office for iPad」を提供開始したこともあり、ビジネス利用の環境は整いつつある。
Windowsタブレットや2-in-1デバイス、ハイブリッド端末に対する長期的な競争力を維持するためにも、Appleは外付けキーボードが付属した12インチ画面のiPadを提供する必要がある。このデバイスは「MacBook Air」と似たものとなるが、脱着式のキーボードやiOSを搭載する点で異なる。
iPad向けの外付けキーボードは既に広く普及しており、選択肢も多い。Appleは、外付けキーボードを標準装備したビジネス向けの「iPad Pro」を発売すべきだ。
モデルチェンジを繰り返す戦略はもはや限界
クック氏は、投資家向けに開催した第3四半期の業績報告の中で、iPadに対する強気の姿勢を示した。
「このカテゴリは全体としてまだ初期段階にあると感じている。iPadに変革をもたらす大きなイノベーションを計画中だ」(クック氏)
この半年間にわたるiPadの売り上げ減少は、現行製品のモデルチェンジを繰り返す戦略では、もはや成長が見込めないことを示している。つまり、製品カテゴリを広げることは必要だ。低価格帯のiPadとビジネス向けのモデルは、その最善の策だと言えよう。
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