ビジネスプロセス自動化を成功させる組織変革Computer Weekly製品導入ガイド

ビジネスプロセス自動化をフルに活用するためには、組織やIT部門のやり方を変える必要がある。

2014年10月23日 08時00分 公開
[Cliff Saran,Computer Weekly]
Computer Weekly

 これまで、会社が何らかのプロセスを自動化しようと考えたらIT部門に相談し、IT部門は公式な仕様に従って作業していた。仕様が承認されると数カ月かけて何らかのソフトウェアを開発し、会社に提供した。

 だが、それで仕事が終わるとは限らない。このような形で仕上げたプロジェクトは会社の期待に添えないこともある。IT部門が開発している間も会社は動き続ける。仕様変更のリスクも浮上する。きっちりした公式仕様に沿ったプロジェクトは、始動段階で不用意に余分な機能を追加すると、初日から混乱状態に陥りかねない。

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 IT部門が出した答えがアジャイルの採用だ。アジャイルでは会社とIT部門の連携を強化し、ソフトウェア開発サイクルは短い工程の繰り返しで構成される。これで成功したプロジェクトは多数ある。

 ただし、アジャイルの手法は大部分がIT部門の管轄になる。ビジネスプロセス自動化(BPA)は、事前の作業の多くをIT部門ではなくビジネス部門が担うソフトウェア開発とはアプローチが異なる。

 調査会社MDWの調査ディレクター、ニール・ウォードダットン氏によると、BPAは一般的に、ITシステムが会社の仕事のやり方に合っていないという判断を理由に採用される。

 従来型のエンタープライズシステムには、作業を調整して一貫したやり方でできるようにする手段がないと同氏は語り、「(従来型のエンタープライズITに)は知識の共有が欠けている」と指摘した。

 BPAは作業を調整し、知識の共有を可能にする。例えば小売業界やサービス業界では、仕事をこなすために必要なサポートを確実に提供するためBPAが利用できるという。

 Carphone Warehouseは2005年からTibcoを利用して、携帯電話を新規契約する顧客を登録するためのビジネスプロセスをサポートしている。同社のデービッド・バーン最高情報責任者(CIO)は「ビジネスプロセスを理解すれば、真のビジネスバリューを引き出せる」と話す。同社はインストルメンテーションを使って、顧客が販売サイクルのどこで離れるかをチェックできているという。「店内スタッフの仕事ぶりを把握し、プロセスが守られているか、そのプロセスは改善できるかどうかを見極めるため、顧客がたどったルートをチェックすることは非常に大切だ」(同氏)

 Carphone Warehouseが開発したアーキテクチャは現在、子会社のConnected Worldに使われている。バーン氏は言う。「われわれのビジネスの中の多くのサービスが他のビジネスに転用できることは認識している。だがそのノウハウの多くは、他のビジネスが身に付けるのは難しい」。例えば小売りでは、モバイル接続端末の販売は習得しやすい。Connected Worldが提供するSaaSでは、システム・ツー・システムのビジネスプロセス自動化を提供し、小売業者がモバイル端末用のネットワーク接続を契約できるようにしている。

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