日本発売は?
徹底レビュー:「Windows 10」にアップグレードできてしまうMSスマホ「Lumia 640/640 XL」の可能性
Windows 10にアップグレードできるMicrosoftのスマートフォンが登場。ミッドレンジのスマートフォンで低価格が特徴だが、意外に高いスペックも注目される。使用感を含めて紹介する。
2015年3月初めに開催されたモバイル通信関連の国際見本市「Mobile World Congress 2015」(MWC 2015)までの数週間というもの、Microsoft派のユーザーや関係者の間では「Windows 10」が話題をさらっていた。だが、この展示会では米Microsoftの新しい「Windows Phone 8.1」デバイス2機種が、こうした人々の注目を集めた。
5インチの「Microsoft Lumia 640」と5.7インチの「Microsoft Lumia 640 XL」は、720pディスプレーを搭載し、Lumiaシリーズのおなじみのスタイルを踏襲したミッドレンジスマートフォンだ。いずれもWindows 10のリリース後に同OSにアップグレードされる。MWC 2015で、われわれはこれらのデバイスを手に取って試すことができた。
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ツァイスレンズを搭載
2014年にリリースされた「Lumia 630」「Lumia 635」と同様に、Lumia 640もLumia 640 XLも目を見張るスペックではないが、ハードウェアを考えると非常に手頃な価格に設定されている。Lumia 640は3Gモデルが139ユーロ(約155ドル)、LTEモデルが159ユーロ(約180ドル)で、4月に発売される。上位機種のLumia 640 XLは3Gモデルが189ユーロ(約210ドル)、LTEモデルが219ユーロ(約240ドル)で、3月発売だ。米国では米AT&Tと米T-Mobileが、これらのWindows Phoneデバイスを販売することを明らかにしている。
Lumiaシリーズは数年来、カメラ機能に優れたスマートフォンの代表格となっている。Lumia 640 XLはその流れをくみ、F値(絞り値)2.0のツァイス(Zeiss)レンズを採用した1300万画素のメインカメラと、広角レンズ採用で500万画素のフロントカメラを搭載する。いずれもこのクラスのスマートフォンとしてはかなり強力だ。Lumia 640はこれに比べて少し貧弱で、メインカメラはツァイス以外のレンズを採用し、800万画素にとどまり、フロントカメラは90万画素といかにも非力だ。また、Lumia 640 XL、Lumia 640ともLEDフラッシュを搭載し、フラッシュありとなしの2つの画像を同時に撮影する「Rich Capture」モードが利用できる。
少し試したところでは、5.7インチでファブレットの部類に入るLumia 640 XLは、5インチのLumia 640よりもはるかに鮮明な写真を撮影できる。Microsoftの展示ブースの薄暗いエリアでLumia 640 XLを使って撮った画像は、ほぼ全体にわたって見事な画質で、同じ価格帯の他のデバイスで得られる画質を優に上回っているようだ。一方、フロントカメラで撮れる写真はごく普通だった。
Lumia 640のカメラも試したが、勝負にならなかった。Lumia 640のメインカメラは、Lumia 635の500万画素のものよりも全体的に良くなっているとはいえ、Lumia 640 XLには露出や撮影の精度で大きく水をあけられている。もっとも、同じ価格帯の製品の中では平均的なレベルといえそうだ。ただし、640と640 XLに関するこうした印象を確認するには、両方のデバイスをさらに検証する必要がある。640のフロントカメラについては、心もとない感じがした。このカメラで撮れる画像は粒子が粗く不鮮明で、この手の非力なカメラなら「さもありなん」というものだったからだ。
仕上がりに関していえば、Lumia 640 XLを手に持つと、おなじみのLumiaらしい感触だ。ポリカーボネート製の筐体は堅牢で、すっきりした出来栄えとなっている。厚さも9ミリとそれほどない。だが、重さは残念ながら171グラムある。それでも、5.7インチ画面のミッドレンジファブレットとしては、デザインは全体的に上々だ。また、より大型の640 XLが滑らかなマット仕上げであるのに対し、小ぶりな640は、光沢があり、少し指紋が付きやすいグロス仕上げとなっていることも注目に値する。
前述したように、Lumia 640 XLの5.7インチ画面は解像度が720p(1280×720)で、ピクセル密度は259ppiだ。最先端のディスプレーでは決してないが、Windows Phone UIを表示するには十分だ。試したところ、画面上のメニューやページがくっきり見えた。そのIPSパネルは黒の発色に深みがあり、高コントラスト比を実現していた。視野角は広く、全般的な発色も良好だった。写真や動画が、高価なファブレットほど鮮明に表示されることはないだろうが、640 XLのディスプレーは、このクラスのデバイスとしては良質なようだ。
Lumia 640の画面は、より小さい5インチながら解像度は同じ720p。そのためにピクセル密度は、Lumia 640 XLを上回る294ppiとなっている。だが試した限りでは、640の画面の見た目は、640 XLの画面と大して変わらなかった。640のディスプレーも製品価格の割にまずまずだ。
Lumia 640とLumia 640 XLの主要なスペックはほぼ同じだ。いずれも1.2GHz駆動のクアッドコアプロセッサ「Snapdragon 400」や1GバイトのRAM、8Gバイトのストレージを搭載し、ストレージは最大128GバイトのmicroSDカードで拡張できる。だが、バッテリー持続時間は640 XLの方が長い。640 XLのバッテリーは3000mAhだが、640は2500mAhだ。
Lumia 640とLumia 640 XLは、2014年に登場したLumiaのミッドレンジモデルの後継として、スタイリッシュでおおむね無難なデザインを備え、手頃な価格で販売され、そこそこのパワーを発揮する。Windows 10とその多くのアップグレードを手軽に手に入れて利用できるデバイスでもある。強力なカメラを搭載する640 XLの方が人気が出そうだが、いずれにしても、Microsoftはこれらのデバイスでそれなりの価値を提供しようとしている。
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