アナリストの予想では、2016年までにサーバ市場の10%以上をマイクロサーバが占めるようになる見通しだ。Intelの進出ぶりをリポートする。
マイクロサーバの市場が拡大している。マイクロサーバは消費電力を抑えた小型のシステムオンチップ(SoC)サーバを指す。低消費電力サーバは2011年に人気が出始めたが、同年の出荷台数はわずか1万9000台と、サーバ市場全体の0.2%にすぎなかった。2012年には出荷台数が8万8000台に増え、2013年には29万台に到達。調査会社IHS iSuppliのアナリストは、2016年までにサーバ市場の10%以上をマイクロサーバが占めるようになると予想する。
マイクロサーバはまだ、データセンターで広く普及するには至っていない。しかしモバイルや軽量クラウド、モノのインターネット(IoT)のワークロード需要が成長を加速させていて、IntelはXeonとAtom C2000プロセッサでこの市場に進出した。
ほとんどのサーバはx86プロセッサを使っている。だがデータセンターのシンプル化、高密度化、低価格化につながり得るマイクロサーバは採用に弾みが付いている。競合するAMDとARMは、消費電力が大きい従来のx86互換プロセッサを64ビットのARMプロセッサの派生製品に入れ替えることによってこの市場を制するべく手を組んだ。一方、Intelは消費電力を抑えた高密度アーキテクチャの提供を開始している。
マイクロサーバはグループ化してクラスタを形成し、複数のCPUを必要としない作業に利用できる。あらゆる種類のワークロードに適しているとはいえないが、静的Webページやベーシックなコンテンツ配信などの用途に選ばれるようになりつつある。これはホスティング環境でログイン認証のリクエストやサイズが小さい静的なHTMLページの配信といった、コンピューティング的には軽量のタスクをサポートしていることによる。多数の小型ノードで構成されるマイクロサーバは、そうした作業用に最適といえる。
マイクロサーバは密度が高くエネルギー効率が高い設計になっていることから、そのインフラ(ファンや電力供給など)は何百もの物理サーバノードによって共有でき、データセンターの省スペース化につながる。
「マイクロデータセンターは、モバイルプラットフォームによって加速するデータセンターの利用増大という課題に解決策を提示する。クラウドコンピューティングとデータセンターの需要が高まる中で、メンテナンス、拡張性、省電力性、低コストといったサーバ設計の特定の局面の重要性は増している」。iSuppliの研究者はそう解説する。
だが、マイクロサーバはまだ主流にはなっていない。企業のデータセンターは集中的なコンピュータ処理能力を要する作業が業務の大半を占め、Intelが供給するx86プラットフォームをベースとした従来型の高性能サーバインフラを必要とする。それでも調査会社Gartnerの推定では、マイクロサーバは2017年までに世界のサーバ市場の売り上げの4〜5%を占めるようになる見通しだ。英ARMとx86の重鎮Intelとの争いは最も苛烈になると専門家は予想する。
Intelの欧州担当サーバマネジャー、クリス・フェルサム氏によると、マイクロサーバはまだ普及し始めたばかりで「現在の普及率は1%に満たないと思う。だが関心は高まっており、われわれはこのアーキテクチャに本腰を入れている。電力コストが大きな優先課題となる中で、マイクロサーバは間違いなくIntelの戦略の大きな部分を占める」という。
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