宅配便大手の米FedExでは、全従業員30万人が活用するソーシャルネットワーキング基盤を構築した。そこには、どのような効果および課題があったのだろうか。システム構築担当者がその時に得た経験と教訓を語る。
筆者は、20年にわたって製品開発を担当し、数々のプロジェクトを成功に導いてきた。その多くは非常にやりがいがあって、作り上げるのがとても楽しいものだった。その中でも、特に際立ったプロジェクトがある。
宅配便大手の米FedExは2011年、全社向けにソーシャルネットワーキング基盤の構築を開始した。筆者はその責任者を引き受けた。同社では、30万人に及ぶ全従業員のコラボレーションを促進するIT環境を構想していた。人気の個人向けSNSのような利便性と習慣性を有しながらも、セキュリティなどのビジネス要件をクリアすることを求められた。当時はまだ事例が極めて少なく、先進的な取り組みとなった。1年にわたる構想期間を経て、「Purple Hub」というソーシャルネットワーキング基盤の構築に取り掛かった。
ソーシャルネットワーキング基盤の構築は手探りの部分が多く、また、FacebookやLinkedInのような手法で従業員同士をつなげるという考え方は高いハードルだった。その時に得た経験と教訓は次の通りである。
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