どういうこと? ナデラCEO「MicrosoftはAppleやGoogleと競合していない」“デジタル化”が行き着く先とは?

MicrosoftのCEOナデラ氏は、Convergence 2015の基調講演で「あらゆるビジネスがソフトウェアビジネスになる」と語った。さらに、AppleやGoogleとの関係に言及した。

2015年05月15日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]
Computer Weekly

 “デジタル化”は多くのビジネスリーダーが理解に苦しむ業界用語かもしれないが、米Microsoftはデジタル化製品のポートフォリオ作成に乗り出している。あらゆるビジネスがソフトウェアビジネスになるだろうと、MicrosoftのCEOサトヤ・ナデラ氏は語る。

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 米国で開催された毎年恒例のConvergence 2015において、ナデラ氏は企業の代表者に向けて次のように話した。「ビジネスを変える原動力は、テクノロジーの課題を見据えることにある。ビジネスで実現を望むものが、テクノロジーを根本から変えていく」

 同氏によれば、IoT(モノのインターネット)をソフトウェアビジネスにすれば、全てのビジネスに影響を及ぼすことは間違いないという。

 ナデラ氏は、あらゆるビジネスはデータを利用することでどのように変わるかを検討すべきだと話す。「全てのビジネスがソフトウェアビジネスになり、アプリケーションを構築し、高度な分析を利用して、SaaSを提供することになるだろう」

 ナデラ氏が唱える「インテリジェンスを向上させるシステム」(SoI:Systems of Intelligence)を使えば、こうした取り組みがビジネスの経済を根本から変えることになると同氏は確信している。

 だが、ビジネスの変革は新しい概念ではない。ITは大きなビジネスの転換を支え続けてきたと同氏は続ける。「メインフレームは経理業務の自動化を支えた。ミニコンピュータは製造現場にリソースプランニングをもたらし、ものづくりの民主化を行った。だが、ITが真価を発揮したのはクライアントコンピューティングの時代だ。われわれはERPを構築して組織内の全て業務、つまり人事、経理、製造を自動化することで、効率性を次の段階に引き上げた」

 業界人の多くは、このようなシステムを「記録のためのシステム」(SoR:Systems of Record)に分類する。Webやモバイルテクノロジーの普及は、さまざまな種類のシステムを生み出した。顧客とパートナーのやりとりをデジタル化することに重点を置くこのようなシステムは、「人との関係を構築するためのシステム」(SoE:Systems of Engagement)に分類される。

 ナデラ氏は、コンピューティングの新たな時代はSoRとSoEの融合によって組織のインテリジェンスを向上させるシステムになるだろうと説明する。「クラウドという制約のないコンピューティングのおかげで、新しいビジネスシステムの幕開けを迎えようとしている。当社はSoRを基盤にSoIを構築してフィードバックループを生み出し、パフォーマンスや効率性を引き上げていくことができる」と同氏は語る。

IoSへの転換

 ナデラ氏によれば、Microsoftが力を入れる分野は静的システムをIoSに変換するようなアプリケーションになるという。Microsoftの最大のライバルとなる米Googleと米Appleの戦略に言及して、同氏は次のように話した。

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