ゲーム会社がAWSじゃなくGCP「Compute Engine」を“激推し”の訳「Maru-Jan」のシグナルトーク流マルチクラウド活用術【第4回】

ゲームやヘルスケア事業を手掛けるシグナルトークは「AWS」「GCP」といった複数のクラウドサービスを利用している。同社がマルチクラウドで開発を進める理由と、利用して分かったAWSとGCPの違いとは。

2023年12月14日 05時00分 公開
[高橋美津]

関連キーワード

Amazon Web Services | Google | IaaS | 事例 | Docker


 ゲーム「オンライン麻雀 Maru-Jan」シリーズをはじめとするオンラインゲームやソーシャルゲームに加え、「FoodScore」(フードスコア)や「Corona Lab」(コロナラボ)などのヘルスケア関連サービス、AI技術を用いた文章の要約サービス「WorkerAI」を手掛けるシグナルトーク。同社は、サービスのインフラをマルチクラウド(複数のクラウドサービスの併用)で構築した。具体的には、Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやGoogleの「Google Cloud Platform」(GCP)を併用している。

 サービスのインフラとして、シグナルトークがAWSとGCPによるマルチクラウドを選んだ理由とは何なのか。同社に話を聞いた。

AWSじゃなくGCP「Compute Engine」を激推しの訳とは?

 シグナルトークでサービスのインフラ管理を担うのは、専任のインフラエンジニアではなく、各サービスを担当するアプリケーションエンジニアだ。同社は、インフラとしてAWSとGCPのどちらをメインで利用するかの判断を、アプリケーションエンジニアの判断に任せている。「複数のクラウドサービスについての知見を蓄積できる」「特定のクラウドサービスにロックインされにくくなる」といったメリットを期待し、あえてそうしているという。

 AWSとGCPの採用率を比べると、シグナルトーク社内ではAWSの方が高いという。「情報入手のしやすさはユーザー企業が豊富なAWSに分があり、ユーザーインタフェースの使い勝手はGCPの方が良い」というのが同社の見方だ。

 シグナルトークはGCPの仮想マシン(VM)サービス「Compute Engine」について、Googleによるデータセンターのメンテナンス時に、仮想マシン(VM)を停止させずに継続稼働できるライブマイグレーション機能を高く評価している。メンテナンスに伴うサービス停止を回避でき、エンドユーザーへの影響を小さくできるからだ。新規プロジェクトで使うインフラが決まっていない場合には、同社はCompute Engineを優先的に活用しているという。


 第5回は、シグナルトークの今後のクラウドサービスやコンテナ技術の利用方針を取り上げる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news094.jpg

「押し付けがましい広告」が配信されたとき、消費者はどう感じるか
消費者は個人データに依存した広告よりも、記事などのコンテンツの文脈に沿っている広告...

news074.jpg

SNS発信のベストな時間帯(2025年版) InstagramとFacebook、TikTokでどう違う?
Hootsuiteが2025年版のソーシャルメディア最適投稿時間を公開。各プラットフォームごとの...

news161.jpg

「動画広告がディスプレイ広告超え」他、電通「2024年 日本の広告費」インターネット広告媒体費の詳細分析
国内電通グループのデジタル領域をけん引する4社は共同で「2024年 日本の広告費」のイン...