シグナルトークはゲームやヘルスケアサービスの開発に「AWS」「GCP」などのクラウドサービスを利用している。同社が実際に活用する中で実感した、クラウドサービスの“意外なメリット”とは何なのか。
シグナルトークは「オンライン麻雀 Maru-Jan」シリーズをはじめとするオンラインゲームやソーシャルゲームに加え、「FoodScore」(フードスコア)や「Corona Lab」(コロナラボ)などのヘルスケア関連サービス、AI技術を用いた文章の要約サービス「WorkerAI」の開発と提供を手掛ける。同社は新規サービスの開発に、Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやGoogleの「Google Cloud Platform」(GCP)といったクラウドサービス群の利用を進めている。シグナルトークは、クラウドサービスにどのような魅力を感じているのか。
クラウドサービスには、オンプレミスインフラと比べて初期導入コストを抑えられるメリットがあると言われている。「当社はクラウドサービスのノウハウを蓄積している最中のため、インフラコストが『極端に安くなった』とは言えない」とシグナルトークは明かす。
シグナルトークが実感するクラウドサービスのメリットは、エンジニアのスキルアップだ。クラウドサービスの導入に伴い、アプリケーションエンジニアはアプリケーションと同時にインフラの構築と管理を実施する必要が生じるようになり、そのためのスキルを身に付けるようになったと同社は説明する。
クラウドサービスの十分なメリットを引き出すためには、クラウドサービスの利用を前提とした「クラウドネイティブ」なサービスの開発・運用を実現することが重要だ。クラウドサービスに関するスキルアップや新規スキル習得をエンジニアに促すだけではなく、オンプレミスインフラとは異なる新しい作業プロセスや文化を組織に根付かせる必要がある。一般的にレガシーシステムがビジネスで重要な役割を果たしている組織ほど、この過程を進めるために必要なエネルギーや、直面する課題が大きくなる。
シグナルトークは、個別のプロジェクトや特定の課題ごとに、さまざまなクラウドサービスを活用している。こうした中で組織としてのスキルとノウハウを蓄積しつつ、その時点でのサービス規模や組織体制に最も合う形で、メリットを最大化できる方法論を探っている状況だ。
第4回はシグナルトークが、AWSとGCPの組み合わせによるマルチクラウドで、自社サービスの開発を進める理由を説明する。
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