シグナルトークは自社サービスの開発のために、従来のオンプレミスインフラに加えて「AWS」「GCP」といったクラウドサービスの活用を進めている。同社はゲームの開発にクラウドサービスをどう役立てているのか。
シグナルトークは、2002年に創業したインターネットサービス企業だ。2004年にサービスを開始したゲーム「オンライン麻雀 Maru-Jan」シリーズのヒットで事業規模を拡大。現在も運営を続けている同シリーズをはじめ、さまざまな形式のオンラインゲームやソーシャルゲームを開発、提供している。
2012年以降は、認知症の早期発見を促すサービス「脳測」を皮切りに、ヘルスケア関連のサービスも手掛ける。2016年にはアンケートからエンドユーザーの健康リスクを数値化する「my healthy」(マイヘルシー)、2021年には食品のバーコードや原材料名から“健康度”を数値化する「FoodScore」(フードスコア)などを発表し、ラインアップを充実させてきた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて2021年には、発症リスクを人工知能(AI)モデルで数値化し、改善のアドバイスを提供するサービス「Corona Lab」(コロナラボ)の提供を開始。ヘルスケア関連サービスのさらなる拡充を図る他、AI技術を用いた文章の要約サービス「WorkerAI」の開発提供も進めている。
シグナルトークは“デビュー作”のMaru-Janを、サービス開始から既に18年以上運営し続けている。Maru-Janの開発用インフラはオンプレミスインフラだ。サービスをエンドユーザーに提供するための本番用インフラには、VPS(仮想プライベートサーバ)サービスを利用している。
Maru-Janの基本的なインフラ構成は「サービス開始当初から大きく変わっていない」と、シグナルトークは明かす。新しい決済手段の導入など、部分的に最新の技術を採用する場合には、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)経由で社外サービスの機能を活用することで、最小限の変更にとどめているという。
シグナルトークは新サービスを中心に、自社サービスのインフラとしてVPSサービスに加えて、複数ベンダーのクラウドサービスを併用している。主に利用しているのは、Amazon Web Services(AWS)の同名クラウドサービス群と、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)だ。以下に利用中のAWS、GCPサービスの一例を挙げる。
2018年に発表した複数のソーシャルゲームのインフラでクラウドサービスを採用したのが、シグナルトークにとって初めてのクラウドサービス活用だった。PaaS(Platform as a Service)としてGoogleの「Google App Engine」、DNS(ドメインネームシステム)サービスとしてAWSの「Amazon Route 53」を採用した。クラウドサービスの採用当初から、シグナルトークはAWSとGCPを組み合わせて運用しているという。
第2回は、シグナルトークがクラウドサービスを活用し始めたいきさつと、同社が考える「VPSサービスに対するクラウドサービスの魅力」を説明する。
記事掲載当初、本文にシグナルトーク担当者の氏名と肩書を記述していましたが、これらの明記によって業務上の支障とリスクが発生する可能性を否定できないとの申し出があり、削除しました。本文は修正済みです。
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