iOSを対象とする「Masque Attack」
誰もが引っかかる? 「iPhone」「iPad」の脆弱性を悪用した驚きの攻撃とは(1/2 ページ)
「Masque Attack」で発覚したiOSのセキュリティ問題。その攻撃の解説とともに、対策について紹介する。
攻撃と無縁なモバイルアプリケーションプラットフォームは存在しない。かつて「最もセキュアなプラットフォーム」と考えられていた米Appleの「iOS」も例外ではない。自分のしていることに害はないとユーザーは考えるかもしれないが、最も慎重なユーザーでさえだまされることもある。
2014年秋、セキュリティ企業の米FireEyeが発見したiOSの脆弱性では、ダウンロードされた正規のアプリケーションを悪意のあるソフトウェアに置き換えることが可能だった。これができるiOSマルウェアのサンプルが出現したのは、世界でもほぼ初めてだった。
併せて読みたいお薦め記事
iOSでも危ない。iOSが持つ脅威
- iOSに新たな脅威、Facebookを乗っ取りの可能性も
- iPhoneやMacからパスワードがダダ漏れ? 「iOS」「OS X」に危険な脆弱性発覚
- AndroidのマルウェアがiOSよりも多い理由
- 「iPhone/iPadなら安全」は古い? 崩れる安全神話
- iOSでも過信は禁物、モバイルアプリを脅かす5つの脆弱性
モバイルセキュリティはどうするべき?
FireEyeが発見した「Masque Attack」で悪用されていたiOSのセキュリティ問題は、注意深いユーザーでさえだませてしまう類いの脆弱性であり、企業のシステムにとって重大なセキュリティリスクになりかねない。
本稿ではMasque Attackについて解説し、企業がどうすればこの攻撃を阻止できるかを紹介する。
Masque Attackとは
Masque Attackで悪用された脆弱性により、攻撃者は正規のiOSアプリケーションを装うことが可能だ。これは、アプリケーションの識別に使われている「Bundle ID」という識別子と、そのアプリケーションへの署名に使われている証明書が一致するかどうかをiOSで検証していないことが原因である。そのため、Appleのアプリケーションストア「App Store」では攻撃者が装うiOSアプリケーションが、怪しいアプリケーションまたは欠陥のあるアプリケーションであると認識されない。
アプリケーション開発者はアプリケーションに署名することが、それが自分のアプリケーションであることをユーザーやApp Storeに知らせる手段となっている。だがこの脆弱性を悪用すれば、悪意のある開発者が正規アプリケーションのバンドル識別子を攻撃に使ってユーザーをだまし、マルウェアをインストールさせることができてしまう。
特筆すべきは、この攻撃ではApp Storeがハッキングされるわけではなく、ユーザーはソーシャルエンジニアリングの手口でだまされるという点だ。
Appleのコメントによれば、iOSは「顧客を守る手段として、潜在的に悪質なソフトウェアをインストールする前に警告を出す」設計になっている。Masque Attackに対してiOSがまさにこの通りの動作をする。攻撃を成功させるためには、同ストアで「信頼する」のボタンを押させる必要がある。つまり、ユーザーのために警告が表示されるのは確かだ。だが、それでもユーザーが簡単に判断を誤ってマルウェアをインストールしてしまう可能性は大きい。
Appleによれば、2015年5月段階でユーザーがこの攻撃の被害に遭ったという報告は入っていない。AppleはApp Store経由で配信されるアプリケーションの検査をしておらず、証明書の詳細(Bundle IDや名称などアプリケーションの詳細)を確認するための規制も設けていなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIに何を聞いても「汎用的な答え」しか返ってこないのはなぜか? -
製品資料
[サイボウズ株式会社] なぜAIは組織で定着しないのか? 全社活用を阻む「3つの壁」の突破法 -
製品資料
[株式会社スタディスト] 「不適合品率」改善はどこから始める? すぐにできて効果が大きいポイントとは -
製品資料
[株式会社スタディスト] 食品ロスを利益に変える「現場標準化」のすすめ -
技術文書・技術解説
[株式会社スタディスト] チョコ停・ドカ停を防ぐ「事前対策」の進め方
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
-
5
なぜ「Claude Code」拡張は消しても危ないのか? Cursorで不正版配信
-
6
脱VMwareの真実:データセンター大手がNutanixを選んだ「コスト以上の理由」
-
7
なぜMicrosoftは「Rust」を標準言語に? AIで進むC/C++書き換えの課題
-
8
“クラウド安全神話”の崩壊 AWS、Azure障害で情シスが直面した「SLAの死角」
-
9
8割がアナログに逆戻りする“やっぱりな理由” DXを阻む2つの落とし穴
-
10
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
顧客対応自動化の要点:RAGとデータ連携で“業務で使える生成AI”にする方法
-
3
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身
-
6
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー