Surface Proユーザーの嫉妬が怖い? 「ThinkPad X1 Tablet」に熱視線が集まるワケほとんど無敵の「Windows10」搭載2-in-1デバイス(2/3 ページ)

2016年06月12日 07時00分 公開
[Jamison CushTechTarget]

スピーカーとカメラ

 ThinkPad X1 Tabletには本体の両側にスピーカーが搭載されている。音の出力に関する性能はまあまあだ。特に大音響というわけではないが、音のバランスが取れていて心地よい。高音が耳障りだったり、低音がぼやけたりすることもない。個人的に使用する分には問題ないが、それ以上のものはなく、他のモバイルデバイスのスピーカーと比較すると、評価は低めだ。

 ThinkPad X1 Tabletには、200万画素の前面カメラと800万画素の背面カメラが搭載されている。いずれもビデオチャットには最適だが、それ以上の用途には向かない。通常であれば、レビューではタブレットやノートPCのカメラは考慮に入れない。購入するかどうかをカメラで決めるくらいなら、その前にコインを投げて決めてしまうだろう。だが、Appleの新型MacBookに搭載された「FaceTime」カメラの解像度が480×720という低品質なものであることを考えると、ThinkPad X1 Tabletにまともなカメラが搭載されていることは言及しておいた方が良いだろう。

パフォーマンス

 ThinkPad X1 Tabletでは全種類のIntelの第6世代「Core m」プロセッサを搭載したモデルが提供されている。RAMは4GBから16GBまで、SSDは128GBから1TBまでの容量が用意されている。レビューに使用したThinkPad X1 Tabletには、Intelの第6世代「Core m7-6Y75」(1.2GHz、1.51GHz)、8GBのRAM、Intelの「HD Graphics 515」、256GBのSSDが搭載されている。

 Core mは、動作時に熱を帯びないためファンは不要で、非常に薄型で軽量なデバイスの実現につながる。起動は速く、性能で上回るIntelの「Core i」デバイスと比べても、ある程度のワークロードまではほとんど区別が付かない。Googleの「Chrome」で十数個のタブを開きながら、Windowsに搭載のメールアプリ、Slackの「Slack」、Microsoftの「Microsoft Office」アプリを開くと、プロセッサの限界が見えてくる。だが、計画的なアプローチを取って少々我慢できるなら、驚くことにさらに負荷の高い写真や動画の編集も強引に進めることも可能だ。この3〜4年の間に開発されたゲームの大ヒット作品については適切に動作しないものが多い。だが、Valveの「Portal」のように古い作品ならプレイできる。

 レビューに使用したThinkPad X1 Tabletに内蔵されているSSDは、利用可能な234GBのうち約56GBが購入時に既に使用されていた。その中で必須の「システムファイル」が占めている領域は34.5GBだ。Lenovoのソフトウェアが少しプリインストールされているが、特別不快に感じるようなものはない。また、ありがたいことに、レビューに使用したThinkPad X1 Tabletには煩わしいMcAfeeの「McAfee Internet Security」やSymantecの「Norton Internet Security」が付属していなかった。このようなツールがプリインストールされていると、無料トライアルやタイミングの悪いスキャンに悩まされることになる。

 本稿で使用したThinkPad X1 Tabletのスペックは以下の通りだ。

  • ワコムのペンをサポートする12型IPSタッチスクリーンディスプレイ(解像度2160×1440、アスペクト比3:2)
  • Microsoftの「Windows 10 Pro」(64ビット)
  • 第6世代Intel Core m7-6Y75(1.2GHz、1.51GHz)
  • Intel HD Graphics 515
  • 8GB LPDDR3 RAM
  • 256GB SSD
  • 802.11 a/b/g/n/acデュアルバンドWi-Fi、Bluetooth
  • 800万画素の背面カメラ、200万画素の前面カメラ
  • 寸法(キーボード装着時):291×217×13.65ミリ(幅×奥行き×高さ)
  • 重量(キーボード装着時):約1.065キロ
  • ワコム製ペン、キーボードカバー、USB Type-C電源アダプターが付属
  • 本稿使用モデルの価格:1649ドル(注1)

※注1:日本では23万2500円(税別、以下同)。Lenovo直販モデルで最も近い構成になる「ThinkPad X1 Tablet:ハイエンドパッケージ」をカスタマイズし、SSDを256GBに変更して「内蔵指紋センサー」を追加した場合の価格。

ベンチマーク

 ThinkPad X1 Tabletは類似したデバイスと比較しても遜色ない。以下のベンチマークはIntelの「Core m7」を搭載したThinkPad X1 Tabletで計測したものだ。ただし、Surface Pro 4には性能で劣る「Core m3」プロセッサが搭載されていたことに留意されたい。また、VAIOの「VAIO Z」フリップモデルの結果が抜きん出ているのはIntelの「Iris」グラフィックスを内蔵しているためだ。

 ベンチマークツール「wPrime」によるプロセッサの比較(スコアが低いほどパフォーマンスが高い、単位:秒)

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 Futuremarkの「PCMark8 Home(Accelerated)」ベンチマークによるWindows 8の一般的な作業(Webサーフィン、動画のストリーミング、ドキュメントの作成、ゲームのプレイなど)に関する全体的なシステムの総合スコア(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)

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 Futuremarkの「PCMark8 Work」(Accelerated)ベンチマークによるWindows 8で業務関連処理を実行したときの総合スコア(スコアが高いほどパフォーマンスが高い

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 Primate Labsのクロスプラットフォームベンチマークツール「Geekbench 3」による総合的なパフォーマンススコア(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)

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 Futuremarkの「3DMark 11」ベンチマークによるGPUの総合的なゲームプレイパフォーマンスの測定(スコアが高いほどパフォーマンスが高い)

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 Crystal Dew Worldの「CrystalDiskMark」ベンチマークによるストレージドライブのパフォーマンススコア

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バッテリー

 ThinkPad X1 Tabletには37Whのバッテリーが搭載されている。Lenovoによれば最大10時間持続するという。ただし、負荷が高いFuturemarkの「PowerMark」の「バランス重視」モードによるテストでは、そこまで良い結果は得られていない。ディスプレイの明るさを70%に設定してThinkPad X1 Tabletをテストしたところ、バッテリーは3時間22分持続した。これはユーザーが最低限期待できる時間だが、それでも良い結果とはいえない。

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 さいわい、レビューで使用したThinkPad X1 Tabletは短時間で充電がなされる。バッテリー切れの状態で電源につないでから30分後には55%まで回復していた。

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