IoTチップ市場は今、大きな注目を浴びている。ソフトバンクが買収したARM Holdingsや他の半導体ベンダーの動きについて紹介する。
前編「『iPhone』『iPad』搭載チップのベースも設計、ARM買収の“そもそも”の理由は」では、ARM Holdingsの軌跡とソフトバンクの狙いについて紹介した。後編では、前編で話したことを踏まえ、ARMのIoTチップ市場における立場がどうなるのか、またIoTチップ市場は今後の展開はどうなるのかを考える。
IoTチップ市場におけるARMの立場や今後の展開を見極めるのは簡単ではない。結局、ARMは何かを製造しているわけではない。ARMは自社で設計したチップセットをライセンス提供し、IPプロバイダーとして、チップを製造する企業からIP使用料(ロイヤルティー)を受け取っている。
「今日IoTデバイスが採用できるプロセッサアーキテクチャは基本的にはARMか『MIPS』かIntelの『x86』かの3種類だ。独自のマイクロコントローラー(MCU)アーキテクチャをベースとしたものも幾つかあるが、大抵は非常にローエンド、またはハイエンドなIPプロセッサ向けのものだ。今日の市場はARMとMIPSとIntelが支配しているといえる。そのうちのリーダーは、少なくともIoTに関しては明らかにARMだ」とGartnerの調査担当副社長マーク・ハン氏は語る。
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