Windowsをクラウドでホストして利用――「DaaS」導入が流行る理由と失敗する理由一度に多くのことをやろうとするとダメ(2/2 ページ)

2016年09月09日 12時00分 公開
[Gabe KnuthTechTarget]
前のページへ 1|2       

4. DaaSをやみくもに適用する

 企業は、「デスクトップ管理を他社に任せる」という考え方に引かれやすいが、手近なプロバイダーのDaaSに飛び付く前に、以下を自問してみよう。「このワークロードの配信をVDIやリモートデスクトップセッションホスト(RDSH)で試して失敗したか」「失敗した場合、それはなぜか」

 「配信インフラを管理できなかった」ために失敗した場合は、DaaSでは成功する可能性がある。しかし、「VDIやRDSH環境において、データセンターでホストされるデスクトップが目的のユースケースでは理にかなっていない」ために失敗した場合は、DaaSでもうまくいかないだろう。DaaSに適したユースケースはあるが、ユースケースが合わない場合にDaaSを無理やり適用しようとしてはならない。

5. 一度にあまりにも多くのことをやろうとする

 DaaSに移行するだけでも大規模なプロジェクトなので、Windowsの移行など、別のプロジェクトと合わせて一挙に進めるといったさらに大掛かりな計画を立てるべきではない。もしDaaS前の環境が、32ビット「Windows XP」の独自イメージ、ローカルにインストールされたアプリケーション、RDSHから公開された幾つかのアプリケーションで構成されていて、移行しようとしている環境が、DaaSプロバイダーのクラウドでホストされる64ビット「Windows 7」の非永続イメージと、アプリケーション管理プラットフォームだとすると、欲張りすぎかもしれない。

 代わりに、エベレスト登山のようにDaaSに取り組もう。ふもとから頂上まで一直線に登ったりはできない。OSの移行に必要な装備を用意し、まずベースキャンプに到着して高度に順応する。そして準備万端に整えたら、登頂を開始しよう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ 1|2       

新着ホワイトペーパー

事例 レッドハット株式会社

コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行、米国防総省に学ぶIT運用最適化のヒント

従来型の仮想化プラットフォームへの過度な依存が原因で、柔軟性の低下や、モダナイゼーションの停滞といった問題に悩んでいた米国の国防総省。そこで採用されたのが、コンテナとVMを1つのクラスタ上で実行できる統合プラットフォームだ。

製品資料 レッドハット株式会社

仮想マシンのクラウドシフトとクラウドネイティブ化がもたらす15のメリット

これまで仮想化技術は、システム運用の効率化やコストの最適化などさまざまなメリットをもたらしてきた。しかし現在、仮想化基盤は拡張性やアジリティなどのメリットを享受するためにクラウドシフトが求められている。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

稼働後3年も障害なし、NTTコミュニケーションズのデータ活用を支えるストレージ

データ分析・利活用のニーズが高まる中、アクションのベースとなるデータも膨大な容量となり、今後も増え続けていく見通しだ。そうなると、各企業はデータ利活用基盤として、信頼性や拡張性の高いストレージを求めるようになるだろう。

製品資料 レッドハット株式会社

これまでの仮想化環境への投資を無駄にしない、クラウドネイティブ化の進め方

今日の仮想化分野では、低リスクで長期的に運用できるソリューションが模索されている。ポイントとなるのは、既存の仮想化環境を生かしつつ、クラウドネイティブアーキテクチャをスムーズに導入できる環境だ。その実現方法を紹介する。

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

Windows 11への刷新はデータ移行が重荷、作業負荷を大幅に軽減する方法とは?

OSの移行には「データ移行」が付き物だが、その業務負荷の高さに悩まされているIT管理者は多いだろう。Windows 11への移行を進める前に知っておきたい、「データレスPC」の有効性や、導入で得られる“プラスα”のメリットを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。