一度に多くのことをやろうとするとダメ
Windowsをクラウドでホストして利用――「DaaS」導入が流行る理由と失敗する理由(1/2 ページ)
DaaSは、管理が簡易になるなどのメリットがあるが、どんな状況にも合うわけではない。例えば、DaaSプロジェクトとOSの移行を一挙に進めようとすると、間違いなく失敗する。
2016年に開催されたいろいろなカンファレンスに参加してきて気付いたのは、DaaS(Desktop as a Service)への関心が高まっているということだ。
仮想デスクトップがクラウドでホストされるDaaSの導入に踏み切った企業はそれほど多くないが、人々はこのサービスを利用する理由を積極的に探している。もっとも、こうした人々はまだ、DaaSを導入する取り組みのスタート地点にこれから立とうとしているところだ。
このことを踏まえ、以下では、DaaSプロジェクトが失敗する5つの理由を説明する。ユースケースを見つけようとしている人にとって(あるいは、既に見つけたと思っている人にとって)、プロジェクトを正しい方向で開始するのに役立つだろう。
1. 費用の節約をDaaSの目的とする
最初に、DaaSには財務上のメリットがあることを指摘しておきたい。ただし、そのメリットの中に費用の節約は含まれない。DaaSの導入では、VDI(仮想デスクトップインフラ)の構築とは異なり、多大な初期コストが掛からない。だが、DaaSの総コストには、継続して支払う月額サービス料金に加え、移行、サービス、追加的インフラのコストが含まれる。
DaaSでは長期にわたってコストの予測が可能だが、コストがいくらになるかを把握することと、費用の節約は全く別物だ。
2. 管理の簡易化をDaaSの目的とする
一般的なVDI環境やDaaS環境は、2つの管理グループに分割できる。それはデスクトップ配信インフラと、Windowsデスクトップ自体だ。
DaaSプロバイダーは、配信インフラ全体を管理する。これは、企業が社内VDIでCitrix SystemsやVMwareのシステムを使って行わなければならないことだ。そのため、多くの企業ではDaaSの導入は、管理の簡易化につながる可能性がある。IT部門はストレージやハイパーバイザー、SQLデータベース、アプリケーションカタログ、Webポータルの複雑さに触れずに済むようになるからだ。しかし、それはあくまで問題の一部が解決されるにすぎない。
IT部門は依然としてWindows管理を行う必要がある。アプリケーションやプロファイル、グループポリシーオブジェクト、アプリケーションの互換性、Windowsの更新、印刷、ウイルス対策、ブラウザプラグインなどの管理が大変でも、DaaSは何も助けてくれない。企業は別のベンダーに料金を払って、これらの管理を代行するサービス(「マネージドサービス」と呼ばれる)を受けることも可能だ。このサービスを受けるだけなら、DaaSは要らない。
3. データセンターの“遠さ”を侮る
オンプレミスのITインフラは、ジェンガゲームの巨大タワーのようなものだ。各パーツは他のパーツに支えられ、それらが複雑に入り組んで配置されていて、タワーは倒れそうもない。だが、パーツを抜き取って移動し始めると、タワーは不安定になる。デスクトップをクラウドに移しても、デスクトップから利用できるものがクラウドに何もなければ、ユーザーエクスペリエンスは低下し、ひいてはDaaSプロジェクトが失敗する恐れもある。
これは例えば、デスクトップをクラウドに移したものの、「デスクトップで使用するアプリケーションのバックエンドデータベースがオンプレミスにある」「認証情報やプロファイルもオンプレミスに保存されている」といった状況だ。その場合、ユーザーがログインするたびに、プロファイルがLANではなく、インターネット経由で送信されてくる。オンプレミスデータストアを持つアプリケーションをユーザーが起動すると、そのアプリケーションの情報も必ずインターネット経由で提供される。いきなりインターネット接続が以前より多用されるようになり、ローカルデスクトップを使っていたときと比べて、ユーザーエクスペリエンスは格段に低下してしまう。
こうしたことから、DaaSは通常のデスクトップと扱いを変えることが重要になる。DaaSでデスクトップがホストされるクラウドは、拡張されたLANというよりも支社の環境に近い。このDaaSプロバイダーのクラウド上のデスクトップをサポートするとともに、DaaSプロバイダーとの接続に大きな影響を与えないために、一部のサービスはクラウドに移動する必要があるかもしれない
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