スポーツへのデータ分析の活用が拡大、「行き過ぎ」批判も「データ分析信者」が見誤ること

スポーツにデータ分析を活用する動きが広がり、行き過ぎではないかとの議論も出ている。データに基づく判断は利益をもたらすが、どんな場合でも正しいとは限らない。

2016年10月20日 15時00分 公開
[Ed BurnsTechTarget]
画像 スポーツにおけるデータ分析の重要性を世に知らしめたマイケル・ルイス著『マネーボール』。ブラッド・ピット主演で映画化された《クリックで拡大》

 大学時代に、数学を専攻する学生と議論になったことがある。スポーツにおける予測可能性についてだ。メジャーリーグ球団の構築と管理に関する『マネーボール』のアプローチが比較的新しかったころのことだ。

 「どんな試合でも予測のつかないことが起こると本当に思っているのかい」。信じられないといったふうに彼は聞いてきた。私はそうだと答えた。当時は、スポーツデータ分析が全ての答えを持っているとは思えない理由を説明できなかったが、今でも、私は聞かれたら同じように答える。そして今なら理由も言える。

 プロバスケットボールのヒューストンロケッツのここ数年を例に取ろう。このチームは2012〜2013シーズンに、NBAで最も得点が多いチームの1つだった。主にスーパースターのジェームズ・ハーデンのおかげだ。彼はバスケットボールの分析オタクの人気者だ。そのシーズン後に、ロケッツはドワイト・ハワードを獲得した。リーグでトップクラスのセンターで、分析を駆使したロケッツの戦術にぴったりと思われていた。

人の感情はデータでは予測不能

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news006.jpg

「TikTok禁止」は結局、誰得? どうするトランプ氏――2025年のSNS大予測(TikTok編)
米国での存続を巡る議論が続く一方で、アプリ内ショッピングやAI機能の拡大など、TikTok...

news202.jpg

ネットの口コミを参考に8割超が商品を購入 最も参考にした口コミの掲載先は?
ホットリンクは、口コミ投稿の経験や購買への影響を調査した結果を発表した。

news071.jpg

「生成AIの普及でSEOはオワコン」説は本当か?
生成AIの普及によりSEOが「オワコン」化するという言説を頻繁に耳にするようになりました...