新しいデータソースを分析することで、Sustainable Silicon Valleyは、長期にわたってアメリカ西海岸を苦しめている干ばつを緩和する方法を模索している。
アメリカ中西部と西海岸の大部分では、数年前に発生した干ばつの問題が今もなお猛威を振るっている。その影響は、カリフォルニアの大都市圏のように人口密度の高いエリアで特に顕著に見られる。この状況に対応すべく、ある企業が新しいデータ分析ツールを活用して、干ばつの影響に歯止めをかける改善措置につながるデータの分析方法を模索している。
Sustainable Silicon Valley(SSV)の目標は、サンフランシスコ湾岸地帯の水とエネルギーの使用量がプラスに転じるようにすることだ。これは、供給量が使用量を上回るようにするということになる。干ばつが緩和されないまま人口が増加している現状を考えると、これはかなりハードルの高い目標であるように見えるかもしれない。
問題を理解することで、改善措置を見つけることは可能だとSSVでテクニカルプロダクト・プログラムマネジャーを務めるブルース・ネーゲル氏はいう。「湾岸地帯の現状を示す基準が必要だった。そこで、当社はより適切な現状への対処方法について検討し始めた」
Microsoft Excelに代わるデータ分析ツールを導入するために、最近、ネーゲル氏と彼のチームはTIBCO Softwareの分析可視化ツール「TIBCO Spotfire」を実装した。以前は、カリフォルニアのDepartment of Water Resources and Drought Monitorで得られたデータの分析にExcelを使用していたという。Department of Water Resources and Drought Monitorは、ネブラスカ大学リンカーン校で行われているプロジェクトだ。Excelでも、まあまあの分析結果を得ることはできていたが、分析結果を共有するときに問題が発生していたとネーゲル氏はいう。
SSVが掲げる最大の目標は、大衆と政策立案者の教育だ。Excelでは、分析結果を可視化して共有することはできなかった。だが、Spotfireを使用することで、パブリックなWebサイトで公開可能な魅力的な外観のダッシュボードを生成できたとネーゲル氏は語る。
「このような場合に、可視化ツールが大いに役立つ。多数の異なるデータベースからデータを取得して、同じページにデータを掲載し、古いデータと新しいデータを比較できるのは非常に重宝する」(ネーゲル氏)
効果的なデータの可視化に加えて、SSVは、Spotfireによって一度に複数のデータソースを分析して、レポートの深みを増すことにも成功した。これはExcelを使用して静的なスプレッドシートをインポートしていたときには困難なことだった。
SSVは、これらのレポートを使用して、水の再利用に関するメリットについて大衆を納得させた。また、サンタクララ市および同市の大企業と協力して、オンサイトに水の再利用プログラムを実装する手助けをしている。このような企業には、GoogleやFacebookなどが含まれる。SSVは、データを分析することで、公共政策立案者や企業に水の供給元と現状維持が困難である理由を提示できるようになった。
SSVは、Spotfireのデータマップ機能を使用して、水の使用量が多いエリアを特定している。このようなエリアを特定すると、水の使用に関する違反を特定できる可能性がある。この新しい視覚的なアプローチが、大衆に問題を理解してもらいやすくなる一助となり、希望的観測ではあるものの好ましい変化を受け入れてもらえる動機となるだろうとネーゲル氏は見ている。
「このアプローチにより、私たちが話をする多くの物事が分かりやすくなっている。このツールを導入しなければ特定できなかったであろう異常を見つけることができる。目からうろことは、まさにこのことだ」とネーゲル氏は語る。
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