体験版で知るWindows Server 2016操作テク【第5回】
Windows Server 2016評価版をインストールする──準備編(1/2 ページ)
この連載は、体験版=評価版を使ってWindows Server 2016の新機能を実際に試しながら覚えてもらうのが、そもそもの目的だ。しかし、その導入にはちょっとしたコツが要る。
この連載は
新世代Windows Serverとして2016年9月に正式登場した「Windows Server 2016」。フリーで導入できる体験版を使って、新しいセキュリティ機能やコンテナ関連機能の設定など、新しく登場した“操作テクニック”を紹介する。執筆はIT関連媒体で長らくWindows Serverの解説連載を手掛けてきた塩田紳二氏だ
今回から何回かに分けて、「Windows Server 2016」(以下、WS16)の評価版インストールについて解説する。基本的な作業は、いわゆるWindowsのインストールと変わらないが、クライアント版よりも大きなシステムであり、「お手軽」というほど簡単でもない。ここでは迷いやすいところを中心に手順などを解説する。
まず、WS16の評価版を動作させるまでの大まかな手順は、おおよそ以下の通りになる。
- WS16評価版をインストールするPC(以下、ターゲットPC)を用意する
- WS16評価版のISOイメージをダウンロードする
- WS16のインストールメディアを作成する
- ターゲットPCのBIOSを設定する
- インストールメディアでターゲットPCへWS16をインストールする
- インストール後、管理ツール「サーバーマネージャー」で役割を設定する
手順だけを見ると簡単そうだが、実際の作業では機材に起因する問題で特に「インストールメディアの作成」で悩むことになる。この段階で問題となるのが、WS16のインストールイメージファイルのサイズだ。容量は6GBを越える。このため、1層のDVD-R(容量5GB)には書き込むことができない。また、4GBという最大ファイルサイズの制限によりFATファイルシステムにも書き込むことができない。
このため、最低でも2層(DL: Dual Layer対応)のDVD-Rドライブが、WS16インストールメディア作成には必要になる。それは、インストールメディアを作成するPCだけでなくWS16をインストールするターゲットPCでも同様だ。
WS16はUSBメモリを利用したインストールも可能だが、上述の通りファイルシステムにはFAT形式が使えないためNTFS形式を利用する。この場合、ターゲットPCのファームウェアは、NTFS形式のUSBメモリを認識して起動できる必要がある。最近では、そういう機種も増えてきているようだが、FAT形式と違って必ず起動できるとは限らない。ファームウェア設定(BIOS設定)が必要な機種もあり「差せば動く」というわけでもない。そういうわけで、インストールメディアの選択と作成ではトラブルが起きやすいので心しておきたい。
併せて読みたいお薦め記事
Windows Server 2016、普及と移行の最新事象
- Windows 10移行より難問? 「Windows Server 2016へ移るか、移らないか」問題
- 「Windows Server」をAWSで動かす、意外に簡単なその方法とは?
- 「Windows Serverコンテナ」普及の壁はバックアップ? 主要ベンダーの反応は
Windows Server 2016新機能
インストールをしなくても“試用”は可能
WS16は、実ハードウェアにインストールする以外の方法でも評価できる。このため、ターゲットPCが用意できない、あるいはインストールが困難といった場合には、以下の2つの方法で試用可能だ。
方法1:「TechNet Virtual Labs」での実行
方法2:「Microsoft Azure」での実行
1の方法は、Webブラウザから利用できる学習環境のVirtual LabsでWS16を試してみる方法だ(画面1)。ただし、この方法は、コースが幾つか設定されていて、それに沿って操作してみるというやり方になる。多少コースから外れてWS16を動かすことはできるが、あくまでもVirtual Labs内でのことになる。
もう1つは、クラウドサービスMicrosoft Azureの仮想環境を使ってWS16を起動するものだ(画面2)。こちらは、実ハードウェアで起動するWS16と全く同じになる。ただし、Microsoft Azureのアカウントを作成する必要がある。仮想環境であり、ハードウェアボードの評価などはできない。またWS16は、構築済みの仮想イメージとして提供されるため、インストールから設定に至る作業の評価はできない。
どちらの方法も、WS16の新機能のみの評価であれば、比較的簡単に利用できるが、実際のアップグレードに備えたインストールや既存ハードウェアとの互換性の評価はハードウェアでするしかない。
評価版をインストールするPCを用意する
WS16評価版のインストール先は、基本的にWindowsが動くPCであれば問題ない。ただしサーバとしての評価を考えると、クライアント系Windowsより、多少条件のハードルは高くなる。旧式PCでも使えなくはないが、目安としては2014年以降のモデルなら、搭載するCPUがWS16の稼働に必要な条件を満たすはずだ。
このあたりは、Windows Server 2016のシステム要件が関係する。この連載で以前に解説している(参考:Windows Server 2016で大幅拡張した対応CPUとシステムメモリ要件を把握する)のでそちらを参照されたい。またMicrosoftのWebページ(システム要件)でもシステム要件を提示している。
前述の通り2014年以降に登場したPCであれば、WS16の実行には問題ないが、CPUのスペックなどに関して疑問がある場合、診断ツール「Coreinfo v3.31」(Microsoft)を使って、CPUの機能を確認できる(GUIプログラムではなくコマンドラインから使うことに注意)。
光学ドライブが付属しているものは、2層DVDディスクの読み書きが可能かどうか確認しておく。正面ベゼルにあるDVDロゴの下部に「DL」と表記があれば2層DVDに対応している。NTFS形式のUSBメモリからの起動が可能かどうかは、実際に試してみないと分からない。これは、一般的にマニュアルにも記載していないため、記載していないからといって起動できないとは限らないからだ。
なお、この連載では、OSが未インストールのPC、またはWindows Server以外のクライアントWindowsをインストールしたハードウェアの利用を想定している。試用期間が限定されている評価版なので、正式ライセンスで稼働している「Windows Server 2012」など旧バージョンのWindows Serverからのアップグレードはありえないという前提だ。なおアップグレードの場合、インストールは、ISOファイル自体をネットワーク経由で転送し、これを使ってローカルにファイルを展開すればインストーラーを直接起動できるので、WS16インストールメディアの問題は関係なくなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
技術文書・技術解説
[Jamf Japan 合同会社] MDMだけでモバイルセキュリティは十分? 不足する対策を16項目でチェック -
製品資料
[株式会社ウェーブスプリッタ・ジャパン] 100Gbps対応の光トランシーバーはどう選ぶ? 10分で分かる選定のポイント -
製品資料
[株式会社フィックスターズ] 組み込み開発の生産性と機密性を両立、自社環境で構築する「セキュアAI」活用術 -
製品レビュー
[ServiceNow Japan合同会社] 問い合わせの約9割を自動で解決、AI主導の自律型CRMがもたらす業務変革の全貌 -
市場調査・トレンド
[ServiceNow Japan合同会社] AI活用が業務自動化で止まる理由は何か? 調査で判明した課題と変革への道筋
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
3
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
4
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
5
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
6
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
-
7
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
8
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
9
バイブコーディングの限界を突破するお役立ちOSSツール「Spec Kit」とは
-
10
「有線LAN環境」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー