NTTドコモも導入──アジア太平洋地域で伸びるSAP HANA既存顧客には不評だったが……

かつて、顧客に酷評されたHANAの導入が増えている。特にアジア太平洋地域で伸びているという、HANAの現状を紹介する。

2017年08月21日 08時00分 公開
[Aaron TanComputer Weekly]
Computer Weekly

 NTTドコモは先頃、「SAP HANA」のアジア太平洋地域(APAC)における新規顧客となった。同社は、HANAの導入によって販売代理店の運営方法を改善し、ベストプラクティスを社内で共有して、ある代理店で得た知見や教訓を別の代理店にも適用したいと考えている。システムの実装は8カ月で完了し、2017年3月に運用を開始した。

Computer Weekly日本語版 8月16日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 8月16日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 SAPによると、約3万7000人が運営している約2400店の同社代理店や、1万人以上のオペレーターを配置しているコールセンターなど、さまざまな種類の顧客のタッチポイントから送信された18TBものデータを収集、分析、処理しているという。

 NTTドコモの情報システム部長 長谷川 卓氏は、HANAを導入するまで営業部門の担当者に情報を伝達する仕組みが貧弱だったと、当時を振り返る。「情報を集計して配信するバックオフィス処理に少なくとも1〜2週間はかかっていた」と同氏は話す。

 「HANAを導入してから、いつでも最新のデータを参照できるようになった。パフォーマンスの向上により、店頭での販売促進活動の状況をモニタリングするところでも効果が表れている。将来的には、ドコモショップの顧客サービス改善にもつながる」と同氏は付け加える。

 この例のように、SAPが最近大手企業の顧客を獲得しているのは、世界的にHANAおよび「S/4HANA」の採用が増えていることの表れだ。2017年第1四半期に、SAPはS/4HANAの顧客を400社獲得したが、そのうち約50%が新規顧客だった。ある調査で、SAPの優良顧客が「今後SAP製品を購入する予定はない」「S/4HANAへの移行は検討もしていない」と回答したことを思うと、隔世の感を禁じ得ない(訳注)。

訳注:2016年10月19日号掲載の記事を参照。

 SAPのAPAC地域および日本を統括する現地法人でデジタルエンタープライズプラットフォームグループ担当のバイスプレジデントを務めるロイット・ナガラジャン氏は、本誌Computer Weeklyのインタビューに応じて以下のように語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...