音楽を再生することはできても……
「Alexa」「Google Home」「Siri」をビジネス利用できないかと考える人々
「Amazon Alexa」「Google Home」「Siri」などの仮想アシスタントは、消費者の間では人気が高いが、企業導入は進んでいない。しかしITプロフェッショナルたちは、これらを企業向けに利用できないかと考えている。
「Amazon Alexa」「Google Home」「Siri」の登場によって、今日では多くの消費者が、デバイスの制御、天気予報や試合のスコアなどの情報を手に入れるために自分の声を使うことを待ち望んでいる。その延長線上で考えると、仮想アシスタントアプリを企業向けコラボレーションツールとして活用する現実的な使用例は、とても簡単に想像できる。以下の使用例を見てみよう。
- カンファレンスルームに入り、音声コマンドを使用してビデオ会議と音声会議、画面共有を含む各アプリケーションの起動を手動で行うことなく、会議を開始する。
- チームコラボレーションアプリに、特定のトピックまたは個人、グループ、顧客、業務に関する最近使用したファイルを開くように指示する。
- チームメンバーにプロジェクトの進行状況を報告するように、プロジェクト管理アプリに指示する。
- 電話またはソフトフォンで、同僚に電話するよう指示する。電話番号をいちいち調べる必要はない。
これらの例で仮想アシスタントアプリは、コミュニケーションとコラボレーションの効率を向上させることで価値を提供し、従業員が容易に業務を達成できるようにしている。
しかし今日、業務用に使用できるパーソナル音声アシスタントの選択肢は限られている。Microsoftの「Cortana」は、企業向けを前提とした仮想アシスタントとしては恐らく最も広く導入されているツールだ。Cortanaを使えば、ユーザーがリマインダーを設定したり、リストを作成したりすることが可能だ。サードパーティー製のプラグインを使用すると、ユーザーは他のアプリケーションでも質問できるようになる。
しかしAlexa、Google Home、Siriと同様に、現在Cortanaが搭載している最新の機能の多くは消費者に焦点を当てている。パーソナルアシスタントに音楽を再生してもらいたい場合は問題ないが、データベースの照会や、最新の売上報告をチームメンバー-と共有したい場合は、まだ不可能だ。
仮想アシスタントアプリはセキュリティ上の懸念を引き起こす
仮想アシスタントはデジタルトランスフォーメーションの重要な要素になりつつある。最近のNemertes Researchの調査では、企業はデジタルトランスフォーメーションの成功に最も重要な技術の1つとして仮想アシスタントを挙げた。デジタルトランスフォーメーションの成功戦略を持つ組織は、その取り組みの中に仮想アシスタントを含む傾向が強い。
ITプロフェッショナルと話しているうちに、彼らが仮想アシスタントに大きな関心を寄せていることが分かる。とりわけ、彼らの多くがAlexa、Google Home、Siriを私生活で使用しているからだ。
一方で、このようなパッシブリスニングデバイス(受動的盗聴器)を会議室やオフィス内に置く場合のセキュリティ上の懸念も耳にする。しかしこれらのデバイスは、「Hey Siri(ヘイ シリ)」のようなキーワードまたはフレーズによって起動されるまでは情報を送信しないため、このようなセキュリティ上の懸念は、多少限定的なものになる。
もう1つのセキュリティ上の懸案事項は、法的助言や医療施設内の患者データといった機密情報への照会・変更に関わる場合、会話を記録保存したり、個人の仮想アシスタントへのアクセスを制限したりする潜在的な必要性があることだ。音声コントロールを音声認識とユーザー認証とに結び付けることで、これらの懸念も同様に緩和できる。
迅速に会議を開始する
コラボレーション分野のベンダーは、仮想アシスタントを人工知能(AI)と組み合わせて、決められたコマンドに応答し、学習行動に基づいて積極的に提案するサービスが提供できる可能性を見いだしている。
例えば、仮想アシスタントはユーザーのカレンダー内の予定を確認し、マーケティングチームとの会議を見つけると、関連書類の配布を提案したり、以前割り当てられたタスクの進行状況を更新するように各チームメンバーに確認を取りたいか聞いたりしてくる。仮想アシスタントアプリは、ユーザーの声を認識して「スマート会議室」に誰が入室したかを判断し、そのユーザーのカレンダーを確認し、予定された会議を進行するに当たりオーディオビデオブリッジを使用するかどうか確認する。
コラボレーションを向上させるために、仮想アシスタントアプリの可能性を模索しているITプロフェッショナルは、ベンダーと話し合って、現在および将来搭載予定の機能を理解する必要がある。ユースケース図を作成したり、社内用テストと評価用にパイロットプロジェクトを立ち上げるためにAlexaのオープンAPIを試してみたりするのも良いかもしれない。
現在、仮想アシスタントは、コラボレーションのエンドポイントやアプリケーションとのやりとりに革命をもたらすまでの準備はそこまで整っていないが、音声がアプリケーション制御の一般的な方法になるのは、もはや時間の問題だ。
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