AIを搭載すれば複雑な質問にも答える
「Alexa」「Google Home」で注目、音声アシスタント市場はどこまで広がる?(1/2 ページ)
スマートホーム、コネクテッドカーなど、モノのインターネット(IoT)が音声認識技術と連携すると、ディスプレイを必要とするデータ入力の制限から解放されるだろう。
多くの人々がモノのインターネット(IoT)製品を話題とするだけでなく、IoT製品へ話しかける人も増えつつある。音声入力技術は、例えば「Alexa、照明をつけて(Alexaは「Amazon Echo」で利用されている音声アシスタントの名前)」といった、一般消費者の用途だけではなく、産業での用途においても重要な要素となりつつある。現場では、作業者が機械に話しかけることでハンズフリー通話が可能となり、少なくとも作業の手を止める必要がなくなる。
しかし、音声入力技術は、今までIoT製品で見過ごされていた分野である。というのも、IoTが主にデータに関するものであると一般的に思われているからである。Strategy Analyticsの企業およびIoTリサーチ専務取締役、アンドリュー・ブラウン氏はそう述べた。
「エンドポイントからデータを取得し、多種多様な形でデータを分析し、その後分析したデータに基づいてアクションを実行します。それが一般的な進め方です」(ブラウン氏)
これまで、IoT製品の焦点の大部分はデータに置かれていたが、音声をIoTアプリケーションに統合する機会が十分にある。音声入力は、タッチスクリーンやデータ入力などの他の入力方法よりも柔軟性があり、多くの場合、より低いコストでユーザーエクスペリエンスを提供する方法となる、とブラウン氏は述べた。音声入力は自然なコミュニケーション手段であり、手や目が他のことでふさがっている時に有用である。
音声+IoT家庭用電化製品=成功
音声入力技術を自社製品に採用している企業の1つが、視覚技術と音声入力技術のプロバイダーであるSensoryだ。 Sensoryの製品は、モバイル、自動車、ウェアラブルデバイス、玩具、家電などの家庭用電化製品に採用されている。
「私たちは23年前に会社を設立しました。家電製品への音声認識技術導入にフォーカスした最初の会社でした」とSensoryのCEO、トッド・マザー氏は述べた。「当社の製品は全て組み込み型であり、クラウドをベースとした音声認識製品を提供する会社ではありません。当社が音声認識をデバイスへの組み込み型として展開する大きな理由は、プライバシー保持、低消費電力、常時接続、短い応答時間などのためです」
Sensoryの名は「TrulyHandsFree」という技術で最もよく知られている。TrulyHandsFreeは、省メモリ要件下で高精度、低電力で音声認識を行うための省スペース設計が特徴の組み込み型音声認識エンジンだ。同社は、話者認識と顔認証技術である「TrulySecure」と、クラウドベース技術より少ない電力と少ないメモリ消費で使用できる組み込み型大語彙連続音声認識システムである「TrulyNatural」を提供している。マザー氏によるとTrulyNaturaは業界最初の組み込み型エンジンとのことである。
「個々のIoT製品の詳細については、当社は多くの成果をあげています。最近『Amazon Alexa』のインフラストラクチャでの取り組みについて高い評価を受けました。Amazon.comとともに『Raspberry Pi』プロジェクトにも参画していました。Sensoryの技術を使って『Alexa』と呼びかけるだけでAmazon Alexaを起動させることができます」(マザー氏)
SensoryはAmazon.comと協業し、TrulyHandsFree音声認識エンジンの一部からAmazon Alexa用の音声モデルを開発した。「Sensoryはこの協業を通じて、家電メーカーがAmazon Alexa対応の音声制御製品の開発をスピードアップできるよう支援している」とマザー氏は述べた。
Nucleusは、この技術を使用している企業の1つだ。同社はAmazon Alexa対応のIoT製品として、HDビデオと音声などの機能を備えたタッチスクリーン搭載通話装置を開発した。
「これは、親戚や友人など、あなたに関係のある人々と話すことを可能にする、まさにIoT製品です」とマザー氏は語る。「あなたが『Alexa』と呼びかけると、Sensoryの技術により、Alexaは起動します」
また、同社は音声入力技術に関してVoiceBox TechnologiesやNuance Communicationsなど他の企業ともパートナーシップを結んでいる。
「当社は、この音声入力による起動を快適に実行できている唯一の会社です」と、マザー氏は述べた。「VoiceBox TechnologiesはSensoryと提携しており、当社の音声入力起動技術を使用する権利を持っています。Nuance Communicationsの多くの製品には当社の音声入力起動システムが導入されています」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「0.3秒のスピード顔認証」の入退室管理が社員に好評 事例に学ぶオフィス改革
-
4
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
5
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
6
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
9
「また同じ説明か」 消費者の半数が離脱するAIチャットbotの“記憶喪失”
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「PC&デバイス」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー