IoT関連の買った会社と買われた会社、M&Aで振り返る2017年「件数増加で総額減少」の意味とは

2017年に締結されたIoT分野のM&A(合併と買収)契約数は前年同期比でわずかに増加している。だが、ドル総額で見ると大幅に減少した。そこから見えてくることとは?

2018年01月04日 05時00分 公開
[James TurinoTechTarget]

関連キーワード

IoT(Internet of Things)


 2017年には本稿執筆時点(2017年12月6日、以下同じ)までに計106件のIoT(モノのインターネット)分野のM&A契約がまとめられており、2016年同期と比べると若干増になる。また、2017年のこれまでの契約数が、2010年から2014年の5年間における各年間契約数を上回っていることも注目に値する。

IoT関連のM&A推移《クリックで拡大》

 それ以上に重要なのは、2017年に10億ドルを超える契約が成立しなかったことだろう。2017年本稿執筆時点までに公開されている総契約額は39億ドル、2016年同期比で492億ドルの減少になっている。2016年同期には、ソフトバンクによるARM Holdingsの310億ドルでの買収や、Apollo Global ManagementによるADTの70億ドルでの買収などが行われた。とはいえ、この2つの大型契約を除いたとしても、2017年の総額が2016年の記録に近づくことはない。

 ただし、本稿執筆時点で契約額が10億ドルを上回る契約が幾つか保留状態になっている。例えば、QualcommによるNXP Semiconductorsの380億ドルでの買収や、ItronによるSilver Spring Networksの8億3000万ドルでの買収などだ。このQualcommとNXPの契約が2017年内に締結されていれば、ドル総額は2016年とほぼ同額になる。だが、規制当局の承認を受けるため、契約は2018年に持ち越される可能性がある。

 2017年本稿執筆時点までの最大規模の契約は3つある。1つは、General Electric DigitalによるServiceMaxの9億1500万ドルでの買収だ。ServiceMaxはクラウドベースの資産追跡とフィールド管理を提供している。もう1つは、Sinotransによる、サプライチェーン管理と運送サービス企業China Merchants Logistics Holdingの買収が挙げられる。その契約額は8億1800万ドルだった。そして、3つ目はNokia Solutions&NetworksによるComptelの3億7000万ドルでの買収だ。同社はデータファブリックと高度IoT分析の企業だ。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

データ処理の効率化に成功、ゼンリンマーケティングソリューションズの取り組み

ゼンリンマーケティングソリューションズでは、地図情報によるデータ分析作業を効率化するため、プログラミング不要のデータ分析ツールを導入した。同社はどのような製品を採用し、課題解決につなげていったのだろう。

製品資料 株式会社primeNumber

データ駆動型ビジネスの実践に向けた仕組み作り、何から始めてどう進める?

データ駆動型ビジネスへの転換は、多くの組織にとって喫緊の課題の1つだ。しかし、データが社内に分散している状況で実現するのは難しい。この状況を解消するには、データを統合し、データの分析と活用ができる基盤の構築が必要だ。

市場調査・トレンド 株式会社primeNumber

部門のサイロ化を解消、企業全体の収益を最大化する「RevOps」を構築する方法

企業が収益を最大化させるためには、分業体制の中で各部門が目標を達成するだけではなく、相互に連携することが重要になる。そこで注目されているのがRevOps(レベニューオペレーション)という仕組みだ。その実現方法を紹介する。

製品資料 テンスピン・マネジメント・コンサルタンツ合同会社

グローバル環境でのデータ統合と業務効率化を、スモールスタートで実現するには

グローバル競争力の強化において、データ活用は不可欠である。しかし、多くの企業が「情報の分断」「手作業の処理への依存」により、効率的なデータ統合と可視化を実現できずにいる。本資料では、この課題を解決した2社の事例を紹介する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/06/11 UPDATE

TechTarget郢ァ�ク郢晢ス」郢昜サ」ホヲ 隴�スー騾ケツ€髫ェ蛟�スコ�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...