Tableau Softwareが同社の製品にサブスクリプションモデルを全面的に取り入れたことにより、クラウドを連想させるサブスクリプションベースのソフトウェアの価格は、オンプレミスの導入でも役に立つことが示された。
ソフトウェアの販売担当者が見込み客のために100万ドルもの見積もりを作成し、何カ月もかけて関係各部署を駆け回って高額な投資の妥当性を説得して回っていたのは、いつのことだろうか。もちろん、そのようなビジネスプロセスがすっかり過去のものになったというわけではないが、常識は変化している。ソフトウェアのライセンスを購入するという従来の形態は減り、サブスクリプションモデルが増えているのだ。
定期的な支払いによって企業がソフトウェアを借りるという考え方は新しいものではない。SaaS(Software as a Service)が誕生してから何年も経過している。だが、クラウドコンピューティングによって、ソフトウェアのサブスクリプションモデルは一気に普及した。クラウドはSaaSアプリケーションにうってつけだ。企業は自社のインフラに投資することなく、簡単にSaaSアプリケーションを導入して使用できる。
そして、現在、SaaSのサブスクリプションモデルは、オンプレミスでも普及しようとしている。Tableau Softwareが2017年前半に同社のセルフサービスBI(ビジネスインテリジェンス)とデータ視覚化ソフトウェアの主要価格モデルをサブスクリプションに移行すると発表したのは、注目に値することだろう。
このような決断の背後にあるものを理解するために、SaaSの歴史を簡単に振り返ってみたい。
1960年代までさかのぼるが、当時Tymshareという企業が存在していた。同社のビジネスモデルは「タイムシェアリング」と呼ばれ、まだ自社でコンピュータを購入または追加購入する金銭的余裕がない企業や組織にメインフレームのハードウェアサイクルとソフトウェアの時間を貸し出すというものだった。同社と同社の同業であるコンピュータ処理サービス機関は、このビジネスモデルを1980年代初頭まで継続した。当時、PCの台数は少なく、インターネットの規模は小さかった。そのため、タイムシェアリングサービスを提供できる企業は、Fortune 1000に名を連ねる大企業だった。
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