オープンソースOS「Ubuntu Core」でさらに進むIoTデバイスの活用「Snap」により10万台規模のIoTデバイス更新も可能(1/2 ページ)

IoT向けオープンソースOS「Ubuntu Core」はIoTデバイスの管理に1つの解決策をもたらした。多種多様なIoTデバイス全ての対応はまだ難しいが、当面の課題を解決できる素晴らしい機能を持っている。

2018年01月25日 05時00分 公開
[Linda RosencranceTechTarget]

関連キーワード

OS | Linux | OSS | セキュリティアップデート


画像 大量のIoTデバイスを全て手動アップデートは現実的に不可能?

 LinuxベンダーのCanonicalが提供するオープンソースOS「Ubuntu Core」は、同社のLinuxディストリビューション「Ubuntu」をモノのインターネット(IoT)デバイス向けに最適化した軽量版Linux OSだ。高度なセキュリティが特徴の「Snap」と呼ばれるLinuxアプリケーションパッケージを使用し、リモート環境からのアップデートを可能にする。

 開発者は従来のUbuntuと同じカーネルとライブラリとシステムソフトウェアを用いて、Ubuntu PC上で他のアプリケーションと同じようにSnapパッケージを開発できる。違うのは、IoT向けであるという点だけだ。

 IoTデバイスはサーバやデスクトップPCと比べてCPU性能が劣り、メモリ容量も少ない場合が多い。「私たちは、IoT向けにUbuntuの“最小限のディストリビューション”とでも呼ぶべきバージョンを開発した」とCanonicalのデバイス/IoT担当バイスプレジデントを務めるマイク・ベル氏は語る。このUbuntu Coreが素晴らしいのは、デスクトップやクラウドで使うのと同じ技術をIoTデバイスにも使用できる点だ。

 CanonicalはIoT向けにUbuntuを単に軽量化したわけではなく、まずIoTの本質的な課題をしっかりと見極め、クラウドとの違いをよく確認したという。

 ベル氏らが基本理念の1つとして検討したのは、セキュリティだったという。サーバの場合は通常、各プラットフォームのセキュリティに注意を払うが、IoTデバイスは物理的な攻撃に対しても脆弱(ぜいじゃく)だ。「攻撃者はIoTデバイスの電子システムに直接アクセスできる。敵の手中にあるということだ」とベル氏。そこでCanonicalはコンテナ技術を用いて、基本的にはアプリケーションをコンテナにパッケージ化できるようにした。同社はこのパッケージシステムをSnapと呼ぶ。コンテナ型は従来型のアプリケーションよりも強固であり、IoTデバイスが敵の手中に渡ったとしても、少なくとも以前と比べて迅速かつ組織的な方法であらゆる脆弱性に対処可能だ。

 Snapパッケージはアプリケーションのアップデートをワイヤレスで配布する他、IoTデバイスで実行するアプリケーションの本体を含む。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 ゾーホージャパン株式会社

狙われ続けるActive Directory、攻撃に強いパスワードをどう作る?

サイバー攻撃の手口に、Active Directoryのパスワードポリシーの弱点を突いたパスワードハッキングがある。その手口は20年にわたり大きく変わっていないが、Active Directoryの標準機能だけで防ぐことは難しい。追加の強化策が必要だ。

製品資料 ゾーホージャパン株式会社

IT部門の業務工数を削減、Active Directoryの作業を効率化する管理ツールとは

Active Directory運用では、組織改編時期での大量の変更処理をはじめ、多数の関連業務が生じる。その操作は冗長な作業を要するものも多く、負荷軽減策が模索されている。日々の運用から監査までを効率化するには何が必要なのか。

比較資料 ゾーホージャパン株式会社

Active Directory管理ツールの比較で見えた、自社に適したサービスの見極め方

ID管理が複雑化する中、Active Directory(AD)の重要性が高まっているが、その運用現場で課題が散見される。標準搭載ツールやPowerShell、統合ID管理ツールなどのさまざまな選択肢から、自社に適したツールを見極めるためのポイントとは?

製品資料 横河レンタ・リース株式会社

モバイルPC起点の情報漏えいを防ぐ“データレスクライアント”の実力とは?

モバイルPCを社内外でハイブリッドに活用するケースが増えるにつれ、データの保存場所が分散し、情報漏えいリスクが高まっている。そこで注目したいのが、PCのローカルにデータを残さない“データレスクライアント”だ。

製品資料 株式会社野村総合研究所

3つの事例から考える、システム運用の現場を抜本的に改革するための秘訣

システム運用の現場では今、申請対応や構成管理、サービスデスクなどの領域をはじめとして、業務プロセスの抜本的な見直しが求められている。その実現方法として注目される統合運用基盤の実力を、3つの具体的な活用例を基に探る。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...