IoT向けオープンソースOS「Ubuntu Core」はIoTデバイスの管理に1つの解決策をもたらした。多種多様なIoTデバイス全ての対応はまだ難しいが、当面の課題を解決できる素晴らしい機能を持っている。
LinuxベンダーのCanonicalが提供するオープンソースOS「Ubuntu Core」は、同社のLinuxディストリビューション「Ubuntu」をモノのインターネット(IoT)デバイス向けに最適化した軽量版Linux OSだ。高度なセキュリティが特徴の「Snap」と呼ばれるLinuxアプリケーションパッケージを使用し、リモート環境からのアップデートを可能にする。
開発者は従来のUbuntuと同じカーネルとライブラリとシステムソフトウェアを用いて、Ubuntu PC上で他のアプリケーションと同じようにSnapパッケージを開発できる。違うのは、IoT向けであるという点だけだ。
IoTデバイスはサーバやデスクトップPCと比べてCPU性能が劣り、メモリ容量も少ない場合が多い。「私たちは、IoT向けにUbuntuの“最小限のディストリビューション”とでも呼ぶべきバージョンを開発した」とCanonicalのデバイス/IoT担当バイスプレジデントを務めるマイク・ベル氏は語る。このUbuntu Coreが素晴らしいのは、デスクトップやクラウドで使うのと同じ技術をIoTデバイスにも使用できる点だ。
CanonicalはIoT向けにUbuntuを単に軽量化したわけではなく、まずIoTの本質的な課題をしっかりと見極め、クラウドとの違いをよく確認したという。
ベル氏らが基本理念の1つとして検討したのは、セキュリティだったという。サーバの場合は通常、各プラットフォームのセキュリティに注意を払うが、IoTデバイスは物理的な攻撃に対しても脆弱(ぜいじゃく)だ。「攻撃者はIoTデバイスの電子システムに直接アクセスできる。敵の手中にあるということだ」とベル氏。そこでCanonicalはコンテナ技術を用いて、基本的にはアプリケーションをコンテナにパッケージ化できるようにした。同社はこのパッケージシステムをSnapと呼ぶ。コンテナ型は従来型のアプリケーションよりも強固であり、IoTデバイスが敵の手中に渡ったとしても、少なくとも以前と比べて迅速かつ組織的な方法であらゆる脆弱性に対処可能だ。
Snapパッケージはアプリケーションのアップデートをワイヤレスで配布する他、IoTデバイスで実行するアプリケーションの本体を含む。
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