Googleの新しいIoTサービスはAWSやAzureなどの後追いともいえる。だが市場がまだ未成熟なだけに、Googleが提供する分析機能が先行ベンダーとの差を埋める助けになるかもしれない。
GoogleがIoT競争に参入した。同社には後れを取り戻し、企業にとって真に現実的な選択肢となるための地盤がある。
現在プライベートβ版の段階にある「Google Cloud IoT」では、新しいサービスと既存のサービスを組み合わせたフル管理型のサービスを、「Google Cloud Platform」を通じて提供する。Googleにとってこの動きは重要だ。競争が激しいこの市場では、クラウドで競合する他社が1年半以上前から独自のIoTサービスを開拓してきた。
GoogleのIoTサービスの中核となる「Cloud IoT Core」は、データの取得や拡張、可用性、パフォーマンス管理を中央で自動化して、世界中に分散された何百万台ものデバイスを管理し、Googleの分析サービスと連動するアプリケーションを構築する。Cloud IoT CoreではMQTTプロトコルを利用してデバイスを登録し、GoogleのAndroidをベースとしたデバイスOS「Android Things」を搭載したデバイスであればファームウェアが自動的に更新できる。
Google IoTサービスは、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」が2015年の当初に提供していたサービスと同様に、パブリッククラウドと外部のデバイスを接続する。このアーキテクチャは、デバイスが世界各地に分散している場合に適しているが、Technology Business Researchのアナリスト、エズラ・ゴッテイル氏によれば、工場のように複数のデバイスが近接している場合は必ずしも最善とはいえない。
「Googleの狙いは、資産の追加と、『他の理由でわれわれのプラットフォームを使いたい場合、それができるようになった』と消極的に言うことにある」。ゴッテイル氏はそう解説する。
AWSとMicrosoftはエッジデバイスの使用も取り込んで、デバイスからクラウドへ直接流れるデータも管理できるようにした。ゴッテイル氏によると、そうしたケースでは、サーバや小規模データデンターを使ったサービスの方がいい場合もある。重大なイベントがあれば即座に要約して反応でき、クラウドと通信してさらなる分析ができるからだ。
しかも、IoTに進出しているのは大手クラウドインフラプロバイダーにとどまらない。産業機器の大手であるBosch、General Electric Company、日立製作所、IBM、Siemensもこの市場を追求している。大手ITベンダーの中でも、このほどIoTサービスを打ち出したのはGoogleだけでなく、Cisco Systemsも同じ週に「IoT Operations Platform」を立ち上げた。
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