既存PCのOSを「Windows 10」へ移行する際、取り得るアップグレードの方法に「インプレースアップグレード」と「クリーンインストール」がある。両者の違いは何か。どう使い分けるべきなのか。
組織内のクライアントOSを「Windows 10」へ移行すると決めたら、IT部門はWindowsデバイスの各種設定やファイルの移行方法を理解しておく必要がある。残念ながら普遍的な移行方法はない。現状や移行後のクライアント環境、移行後に引き継ぎたいデータの種類によって、適切な移行方法が異なる。
IT部門はWindows 10への「インプレースアップグレード」を実行すると、現状のWindowsの各種設定やファイル、一部のアプリケーションを引き継ぐことができる。ただしインプレースアップグレードの実行中に、予期しないことが発生することもある。事前にシステムの完全バックアップを作成することを推奨する。
Windows 10への移行手段として、常にインプレースアップグレードを選択できるとは限らない。例えば移行対象のクライアントPCには、インプレースアップグレードを実行するために、十分なストレージ容量を残しておく必要がある。Windowsを「Home」エディションから「Pro」エディションへ変更したり、32bit版から64bit版へ変更したりする場合には、インプレースアップグレードを利用できない。現在利用しているWindowsの健全性が低い場合も、インプレースアップグレードを選択すべきではない。健全性を低くする“お荷物”をそのまま引き継いでしまうからだ。
こうした状況では、Windows 10を新規インストールする「クリーンインストール」を実行し、その後に各種設定やファイル、アプリケーションを移動するのが現実的な選択肢となる。
クリーンインストールでWindows 10へ移行する場合、各種設定やファイル、アプリケーションを移行するには、主に2つの選択肢がある。
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