NVMeストレージのアプローチは実に多彩であり、製品はどれも特徴的だ。前編では、XIO TechnologiesとPure Storageの製品戦略および製品の特徴をまとめた。
30年以上にわたり、ストレージ業界はサーバとストレージ間の通信やストレージアレイとの内部通信にSCSIプロトコルを使用している。物理接続方式が進化しているにもかかわらず、このプロトコルは長年あまり変化していない。
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だが、NANDフラッシュストレージの出現が問題を生み出した。フラッシュはHDDよりも桁違いに高速で、多くの要求を並列に処理できる。ベンダーは、ドライブのスケーラビリティの限界を数十TBのフラッシュを搭載するまでに引き上げた。その結果、SCSIはますますフラッシュストレージのフル活用を妨げるボトルネックになっている。
そして、ようやくSCSIの後継に位置付けられる新しいプロトコル「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)が登場した。このプロトコルが、NANDストレージのメリットを最大限に引き出すと見込まれている。
NVMeはプロトコルだ。フォームファクターでもメディアの一種でもない。NVMe対応の物理デバイスはさまざまなフォームファクターで提供される。例えば、AIC(アドインカード、旧称PCIeカード)、U.2(従来のHDDと同様)、M.2(メモリスティック)などがある。いずれもPCIeをインタフェースバスとして使用する。
NVMeは、SCSIよりも数が多く、より深い入出力(I/O)キュー(6万5535キュー、キュー深度6万5535)を使用する。これにより、フラッシュとの通信に伴うソフトウェア遅延を軽減し、ハードウェア割り込みの時間(プロセッサとデバイス間のパフォーマンス)を改善して、要求の並列処理を増加させる。その結果、スループット(IOPSとデータ量)が大幅に向上し、I/O待機時間が格段に低減する。
NVMeを採用するベンダーが複数登場し、NVMeを内部に搭載する高速ストレージアレイを新たに構築している。また、ファイバーチャネルとイーサネットネットワークを活用できる「NVMe over Fabrics」(NVM-oF)を搭載するさらに新しいアーキテクチャもある。
本稿では、ベンダーの各種ソリューションを取り上げ、既存の製品と今後の製品においてNVMeがどのように使用されるかを見ていく。
XIO Technologiesは、密閉型ディスクユニットの「ISE」シリーズでその名が知られている。同社は2017年5月、新プラットフォーム「Axellio」をリリースして財務状況を回復した。Axellioは2Uサーバベースのデュアルコントローラーアーキテクチャで、最大4基の「Intel Xeon E5-2699 v4」プロセッサ(総計88コア)と、最大2TBのDRAMを搭載する。また、デュアルポートのNVMe SSDをそれぞれ最大12個保持できる1〜6個の「FlashPac」も備えている。6.4TBドライブの総容量は、現状では、1システムに当たり460TBになる。
システムの核となるのは「FabricXpress」というPCIeファブリックで、デュアルポートドライブのそれぞれにコントローラーを接続する。これにより、35マイクロ秒の遅延で最大1200万IOPS(4KB)と60Gbpsの持続スループットを実現できる。Axellioの設計は根本的にはデュアルコントローラーアーキテクチャだが、使用可能なコアが88基あるため、従来のストレージデバイスやスケールアウトハイパーコンバージドプラットフォームの基盤に使用できる。従来のプラグインモジュールをサポートできるため、分析などプロセスを集中的に使用するワークロードを実行できる。これこそNVMeアーキテクチャの真価が発揮される場面で、コンピューティングとストレージを限界まで引き上げる。
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