現在ではほとんどの場合、ベンダーやメーカーがOSの更新をコントロールしている。近い将来にIT管理者が力を取り戻すことはなさそうだ。
私の2歳半の娘は、アニメ映画『アナと雪の女王』に使われた歌『Let It Go』が大好きだ。デスクトップやモバイル管理者も、似た曲を歌い慣れている。
ITの歴史の大部分において、IT管理者は自社のOSをいつ、何のために、どのように更新するかを、ほぼ完全にコントロールしてきた。サポートの終了期限など、ベンダー関連の要因により、更新を余儀なくされることも時にはあった。だが大抵は、IT部門がOSの更新に関して主導権を握っていた。
しかし、もはやそうではない。OSベンダーやデバイスメーカーがアップデートやパッチをプッシュ配信しており、それらについてIT部門のできることはあまりない。この問題はスマートフォンやタブレットで最も一般的だが、「Windows 10」がデスクトップにも広げた。
2大モバイルOSであるAppleの「iOS」とGoogleの「Android」は更新に関して、非常に異なっているものの、IT部門にとって同じようにいら立たしいアプローチを取っている。
iOSの新バージョンが完成すると、Appleは、サポートされている全てのデバイスで入手できるようにする。これらは通常、「iPhone」と「iPad」の過去数モデルだ。ユーザーは通知を受け、自分の決めたタイミングでアップデートをダウンロードし、インストールできる。IT部門はこのプロセスに全く関与せず、これをコントロールすることはできない。
2018年3月下旬に提供開始された「iOS 11.3」は、IT部門が最大30日間、アップデートのインストールを遅らせることができるが、それが可能なのは、「Apple Configurator」か「Device Enrollment Program(DEP)」で管理されているデバイスに限られる。両者はいずれも企業におけるBYOD(私物デバイスの業務利用)のシナリオでは一般的ではない。このため、ほとんどの企業はOSの更新に関しては、依然として蚊帳の外だ。
iPhoneやiPadとは異なり、Androidデバイスは、多くのメーカーが製造している。GoogleによるOSのアップデートをデバイスに適用するか、または、いつデバイスに適用できるようにするかは、こうした各メーカーが独自に決定する。そのためにデバイス間で一貫性がなく、IT部門がデバイスを適切に管理し、セキュリティを確保するのは困難だ。また、企業はデバイスの購入に当たって、いつまでデバイスを最新に保てるか、いつまでデバイスがサポートされるかについて、保証を受けられない。
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