Airbnb、技術が可能にするユーザーとホストの間での信頼構築機械学習、予測分析、行動解析を組み込む

ユーザーとホストの間で宿泊施設の仲介をするAirbnbにとってそれぞれの信頼関係をどう構築するかがビジネスの基本となる。シェアリングエコノミーを実現するための技術活用とは?

2018年04月16日 05時00分 公開
[Ben ColeTechTarget]

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 現在、「Facebook」「Twitter」、またはデートサイトのプロフィールであっても、消費者は、やりとりしている相手が実在する本物の人物なのかを問う必要がある。この事実は、現代のデジタル経済において、顧客と企業との信頼関係の構築に大きな疑問を投げ掛けている、とHyperionのイノベーション部門ディレクターであるデービッド・バーチ氏は語る。

 「現在、Twitter botが使用されると、どのツイートが本物なのか分からない。同じように、音声を聞いても、どれが本物なのかいずれ分からなくなるだろう」と、ワシントンD.C.で開催された「KNOW Identity Conference 2018」で、バーチ氏はコメントを述べた。

 KNOW Identity Conference 2018では、デジタルアイデンティティー(デジタルID)分野でのイノベーションが大きな話題となった。より多くの企業が生体認証や機械学習ベースの認証技術に目を向けている。デジタルIDの検証に関する関心の高まりは、企業がテクノロジーを基盤とした対策方法を模索していることが大きな理由だ、とバーチ氏は語る。

 これらデジタルIDの課題に対する解決策を見つけ出すことが業界に期待されている、と同氏は付け加えた。

 「信頼に対する従来のわれわれの考えは、もううまく機能していない。新しい考え方を持たなければならない」とバーチ氏は言う。

 この使命を心に留めている企業の1社がAirbnbだ、と同社の信頼およびリスク管理部門のグローバル総責任者であるニック・シャピロ氏は述べる。KNOW Identity Conference 2018で同氏が行った基調講演では、Airbnbのビジネスモデルは、デジタル世界での信頼関係に基づいて構築されていると説明した。特に、同社のビジネスモデルは、自宅に滞在する見ず知らずの他人を信頼するホストを頼りにしているからだ。

 Airbnbに加わる以前はCIA(米中央情報局)副首席補佐官であり、その前にはオバマ前大統領上級テロ対策補佐であったシャピロ氏は、「われわれの製品は信頼だ」と述べる。そして「われわれは信頼を促進させるために日々、製品やサービスの開発に取り組んでいる。こと信頼に関しては、社会の中で信頼を構築することが最も困難な時代だ。現在の社会には、信頼などが一切ないように思える」と言った。

 社会は全般的に、シャピロ氏が「信頼の危機」と呼ぶ状況、つまりビジネス、メディア、政府機関などの主要機関や、さらには非営利団体への信頼が急落している状況にある。そして、フィルターを掛けられることなく明らかに間違った情報が世界中に瞬く間に広がるので、いとも簡単に不信感の種をオンライン上にまくことができる。

 「しかし、同時に、信頼はシェアリングエコノミーの基礎となる通貨だ。シェアリングエコノミーが信頼に基づいて構築されるのであれば、それが成功できるのはなぜか? 技術が信頼の構築に大きな役割を果たしているからだ」とシャピロ氏は語る。

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