AmazonがAWSでグラフデータベースを提供すると発表し、このニッチなデータベースジャンルにもスポットライトが当たるようになった。Neptuneの一般提供前にグラフデータベースについておさらいしておこう。
やや旧聞に属するが、2017年11月に米シアトルで開催されたAmazon Web Services(AWS)主催のカンファレンス「re:inVent 2017」で、AWSはグラフデータベース市場への参入を発表した。
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この発表が特筆すべきものであった理由は幾つかある。まず、AWS初のグラフデータベースであることだ(リレーショナルデータベースとNoSQLデータベースは既にサービスとして提供している)。そしてこのニュースで、このところニッチ、複雑、高価と見られていたデータベース分野に再び光が当たることになった。
AWSのグラフデータベース「Amazon Neptune」は現在、一般公開を控えてプレビュー中だが、公開も近いうちに実現しそうだ。そこで、グラフデータベースを少し詳しく見ておこう(訳注)。
訳注:グラフデータベース製品導入戦略ガイドでもグラフデータベースについて詳しく解説している。
グラフデータベースは、グラフ構造を使用してデータのクエリを実行できるようにするものだ。ノード、エッジ、プロパティという概念に基づいてデータを表現し、保存する。ここで重要な概念は、グラフとは、データベース内の異なるデータ項目間の関係を直接記録するものだという点だ。グラフは関連するオブジェクトを直接リンクするため、相互に関係付けられているオブジェクトは1回の操作でまとめて取得できる。
リレーショナルデータベースは、データを行と列の概念に基づいて格納する。そのため関連するオブジェクト同士が直接接続されているわけではない。異なる要素間のリレーションシップ(関係)を作成するには、「join」でテーブルを結合しなければならない。しかし、joinは扱いにくく、データベースのパフォーマンスにも影響する。
グラフデータベースの特徴は、複雑な階層構造を簡単かつ迅速に取得できることだ。こうした構造は、リレーショナルデータベースではモデル化するのが困難であるか、または非常に時間がかかる。
たたし、グラフデータベースにも小さな短所がある。リレーショナルデータベースの世界ではデファクトスタンダードとなっている構造化照会言語(SQL)ではクエリを簡単に実行できない。そればかりか、グラフデータベースの世界には、SQLのようなデファクトスタンダードといえるクエリ言語がまだ存在しない。業界標準の言語は幾つかあるが、グラフデータベースが普及する過程で淘汰(とうた)されるものも出てくるだろう。
Neptuneはクラウド向けに設計されているとAmazonは主張するが、その性質には長所と短所がある。
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