Amazon Neptuneはグラフデータベースの起爆剤となるか一般提供は?

AmazonがAWSでグラフデータベースを提供すると発表し、このニッチなデータベースジャンルにもスポットライトが当たるようになった。Neptuneの一般提供前にグラフデータベースについておさらいしておこう。

2018年05月31日 08時00分 公開
[Jason StamperITmedia]

 やや旧聞に属するが、2017年11月に米シアトルで開催されたAmazon Web Services(AWS)主催のカンファレンス「re:inVent 2017」で、AWSはグラフデータベース市場への参入を発表した。

Computer Weekly日本語版 5月23日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 5月23日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 この発表が特筆すべきものであった理由は幾つかある。まず、AWS初のグラフデータベースであることだ(リレーショナルデータベースとNoSQLデータベースは既にサービスとして提供している)。そしてこのニュースで、このところニッチ、複雑、高価と見られていたデータベース分野に再び光が当たることになった。

 AWSのグラフデータベース「Amazon Neptune」は現在、一般公開を控えてプレビュー中だが、公開も近いうちに実現しそうだ。そこで、グラフデータベースを少し詳しく見ておこう(訳注)。

訳注:グラフデータベース製品導入戦略ガイドでもグラフデータベースについて詳しく解説している。

 グラフデータベースは、グラフ構造を使用してデータのクエリを実行できるようにするものだ。ノード、エッジ、プロパティという概念に基づいてデータを表現し、保存する。ここで重要な概念は、グラフとは、データベース内の異なるデータ項目間の関係を直接記録するものだという点だ。グラフは関連するオブジェクトを直接リンクするため、相互に関係付けられているオブジェクトは1回の操作でまとめて取得できる。

 リレーショナルデータベースは、データを行と列の概念に基づいて格納する。そのため関連するオブジェクト同士が直接接続されているわけではない。異なる要素間のリレーションシップ(関係)を作成するには、「join」でテーブルを結合しなければならない。しかし、joinは扱いにくく、データベースのパフォーマンスにも影響する。

 グラフデータベースの特徴は、複雑な階層構造を簡単かつ迅速に取得できることだ。こうした構造は、リレーショナルデータベースではモデル化するのが困難であるか、または非常に時間がかかる。

 たたし、グラフデータベースにも小さな短所がある。リレーショナルデータベースの世界ではデファクトスタンダードとなっている構造化照会言語(SQL)ではクエリを簡単に実行できない。そればかりか、グラフデータベースの世界には、SQLのようなデファクトスタンダードといえるクエリ言語がまだ存在しない。業界標準の言語は幾つかあるが、グラフデータベースが普及する過程で淘汰(とうた)されるものも出てくるだろう。

 Neptuneはクラウド向けに設計されているとAmazonは主張するが、その性質には長所と短所がある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

事例 アステリア株式会社

ノーコードでアプリ開発とデータ連携を実現、9社の事例に学ぶ現場DXの推進術

工場や倉庫などの現場では、人手不足などにより業務負担の増大が懸念されており、業務のデジタル化と業務プロセスの改善が急務となっている。そこでモバイルアプリの作成からデータ連携までをノーコードで実現できる製品が注目されている。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

6つのユースケースから学ぶ、「人流データ」の効果的な活用方法

広告や小売、観光振興、まちづくりなど、さまざまな領域で導入が進む「人流データ」。その活用でどのような施策が可能になり、どのような効果が期待できるのか。人流データ活用の6つのユースケースを紹介する。

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

地図情報によるデータ分析作業を効率化、ゼンリングループ企業はどう実現した?

多くの企業でデータ活用が模索されているが、データ処理の煩雑さや属人化が課題となっている企業は少なくない。そこで注目したいのが、データ分析ツールの活用で課題を一掃した「ゼンリンマーケティングソリューションズ」の取り組みだ。

製品資料 サイオステクノロジー株式会社

ITインフラの自動化を実現、いま注目のクラウド型マネージドサービスの実力

複雑化を続けるITシステムの運用管理は、企業にとって大きな負担だ。そこで負担を軽減するものとして注目したいのが、クラウド上でさまざまな機能を利用できるマネージドサービスだ。本資料では、その詳細を解説する。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。