時代遅れ?のHTTP/HTTPS vs. 分散ファイルシステム「IPFS」Webに世代交代は来るのか

HTTP/HTTPSの欠点を解決する手段の1つとして、IPFSという分散ファイルシステムが開発された。IPアドレスに依存しないため、確かにデッドリンクの発生を低減できるかもしれない。

2018年05月30日 08時00分 公開
[Antony AdsheadComputer Weekly]

 ティム・バーナーズ=リー氏といえば、ご存じの通りWorld Wide Webの基礎を成すHTTP(Hypertext Transfer Protocol)の考案者として有名な人物だ。

 しかし、HTTP(S)はもはや時代遅れだと考える人もいる。このテクノロジーには、Webをデッドリンク(リンク切れ)まみれにしやすいという性質があった。政府などによる統制に対しては無防備で、障害も起こりがちだ。

 分散ファイルシステム「IPFS」(InterPlanetary File System)の登場には、こうした背景がある。IPFSは、HTTPに代わりWeb上のファイルにアクセスする手段として研究が進められている。

 HTTPは、デバイス固有のアドレス指定方法であるIPに依存する。

 一方IPFSは、各コンテンツのアドレッシングに従う。言い換えると、格納されている各アイテムには独自の一意な識別子があり、それぞれに対して作成された不変のハッシュを保持している。

 これにより、データはどこにでも格納できるようになる。データへのアクセスを要求すると、ハッシュを手掛かりに最寄りの場所や複数の場所から取り寄せることができる。

 実は、IPFSはBitTorrentに似た特性を持っている。BitTorrentは映画を違法にダウンロードする人々が好んで利用するピアツーピアプロトコルで、「PirateBay」などの海賊版ファイル共有サイトで使われている(訳注)。

訳注:BitTorrent自体は違法なものではなく、合法的に有意義に使っている人も多くいる。

 1つの場所から1つのファイルをダウンロードするのではなく、いわゆるTorrentスウォームを採用している。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。