高可用性と災害復旧を重視
IT担当者の85%が「復旧に自信がない」 ITの復旧力に関するレポートで本音
ITの復旧力に関する最新のレポートが発表された。大小さまざまなマルウェアによる攻撃、自然災害などのIT障害に見舞われた年のレポートにはIT担当者の本音が表れていた。
企業は、マルウェア攻撃や自然災害などの混乱にどのように対処し、ITの復旧力をどのように高めようとしているのだろうか。
結論から言えば、全般的に不十分な状態のようだ。データ分析ソフトウェアを開発するSyncsortが発表したレポート『The 2018 State of Resilience』(2018年度の復旧力の状況)では「全体的に、障害発生時のダウンタイムがIT部門の最大許容時間を超えているため、IT部門はこの問題に対処しなければならない」と報告している。このレポートは5632人のIT担当者を対象に2017年1~6月に実施された調査結果を示し、2018年1月に公開された。
「災害への対処の備えが不十分と感じている企業が多い、という結果に驚いている」とSyncsortのグローバルサービス部門でバイスプレジデントを務めるテリー・プラス氏は話す。
同レポートによると、障害後の目標復旧時間を達成していたのは半数しかなかったという。IT担当者の85%が復旧計画を立てていないか、自社の復旧計画に100%の確信はないと回答している。
データ損失を被った企業のIT担当者に、最も重大なインシデントで失われたデータの量を聞いたところ、28%が数時間分、31%が1日以上と答えた。
ITの復旧力に関する今回のレポートでは、データ損失の原因の多くが「バックアップの品質が低いこと」に関係していることがわかった。データ損失の主な理由を上位から順に挙げると次のようになる。
- バックアップコピーが古かった
- 人為的なミス
- 失われたデータがメモリ内にあったため、バックアップが行われなかった
- データ保護基盤に欠陥があった
- データ保護基盤が、特定のデータをバックアップしないように構成されていた
幸い、IT担当者に今後2年間の見通しについて聞いたところ、主なIT戦略として高可用性と災害復旧(HA:High Availability、DR:Disaster Recovery)を挙げている(45%)。これは1位のセキュリティ(49%)に続く2位で、3位のクラウドコンピューティング(43%)を上回っている。また、2018年の主な懸念事項については、ビジネス継続性と高可用性(47%)、障害から復旧する能力(46%)、セキュリティとプライバシーの侵害(45%)と答えた。
ITの復旧力に関する包括的な計画が求められる
高可用性と災害復旧に関する主な取り組みとしては、次のようなものが挙げられている。既存のHA/DRの基盤調整と再構成。サーバやデータの増加に対処するための既存のHA/DRの基盤の拡張。既存のHA/DR増強のために必要な新しいテクノロジーの導入。HA/DR戦略へのクラウドやホスティングテクノロジーの組み込みなどだ。
レポートは次のように報告する。「企業のシステムを強固にするには、適切な人材配置、社員教育、優れた復旧計画とテストが必要になる。このことは、2018年にHA/DRへの取り組みを計画している大多数の企業に特に当てはまる」
データの保護とアーカイブに使用しているテクノロジーを尋ねたところ、回答企業の50%弱がテープバックアップと答えている。これは、半数をやや上回ったハードウェアとストレージレプリケーションに続く2番目に多い回答だった。
プラス氏は、ITの復旧戦略では複数の手順を踏むことを推奨している。まず、災害復旧プロセスを定めて文書にする。次に、正しいツールを適切な場所に導入し、目標復旧時間と目標復旧地点が許容範囲内に収まることを確認する必要がある。企業は、IT担当者やサードパーティーのサポートベンダーをトレーニングし、DR基盤がどの程度力を発揮するのか、十分に認識しなければならない。
企業はHA/DR切り替えテストの計画に時間を割く必要がある。また、障害発生時に必要な行動を定めた手順書を用意すべきだ。だが、これを用意していない企業が多いとプラス氏は言う。
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