メリットを最大限に引き出す方法とは
NVMe型フラッシュストレージの真価は「ワークロードの統合」
企業のワークロードをフラッシュストレージで統合し、その密度を高めることで、NVMeの並列処理と低遅延のメリットを最大限に生かすことができるという。
NVMe(Nonvolatile Memory Express)は、フラッシュおよびメモリベースのストレージ用に考案された新しい規格だ。オールフラッシュストレージでは、この新しい技術の利用を開始している。それに伴い、ベンダーはSAS(Serial Attached SCSI)のフラッシュドライブをNVMe型のドライブに置き換えることになるだろう。だが、SASのフラッシュストレージは、既に大半のデータセンターが必要とする以上のパフォーマンスを発揮している。NVMe型フラッシュストレージのメリットを最大限に引き出すには、データセンターはシステムの設計を見直さなければならない。また、パフォーマンスを最適化する技術であるQoS(Quality of Service)のような新しい手法の導入を検討する必要もある。
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主要ベンダーのNVMe製品戦略
オールフラッシュストレージにおけるNVMeの主な影響は、パフォーマンスそのものの向上とは限らない。NVMeはインタフェースであり、プロトコルだが、そのドライブには、SASベースのドライブと同じフラッシュが依然使用されている。NVMeは遅延を減らすことができる。NVMeはSCSIを上回る数のコマンドのキュー(待ち行列)を処理可能で、キューごとのコマンド数も多い。その純粋な効果として、NVMe型フラッシュストレージは、より多くのワークロードと、幅広い種類のワークロードを処理できる。
NVMe向けの設計
一般的な認識として、NVMe型フラッシュストレージは「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」などのデータベースアプリケーションに使用される。これらのアプリケーションは数百人のユーザーが同時に読み取りや書き込みをするため、NVMeを利用する候補としては最適だ。こうしたアプリケーションは、NVMeを利用することで、サーバのハードウェアやソフトウェアを変更することなく、ユーザー数やクエリ対象のデータ量を拡大できる。基本的にNVMe型フラッシュストレージは、同じハードウェアとソフトウェアを使用しながら、データベースでより多くのことを実現可能にする。問題は、ほとんどの企業のデータベース環境ではこのような新しいレベルへの拡大を必要としていないことだ。
NVMe型フラッシュストレージを十分活用するには、企業は視点を変える必要がある。手始めとしては仮想環境を対象にするのが適切だ。
ほとんどの仮想環境では、物理サーバの密度に比べて仮想マシン(VM)の密度は比較的低い。VMの密度を上げることによって、ネットワークやストレージシステムでボトルネックが発生することが懸念されるためだ。だが、ネットワークが高速になり、その設計が改善されたことで、以前ほど問題にならなくなった。その結果、NVMe型フラッシュストレージでは、高密度のVM環境で発生する多くのI/O要求に迅速に応答できる。
NVMe型フラッシュストレージを購入するなら、できるだけ多くのワークロードをそのシステムに統合することを目指すべきだ。これには複数のデータベースやハイパーバイザーに加え、その他の最新のワークロードも含まれる。例えば、ビッグデータ分析やコンテナ実行環境などだ。
統合するリスクの克服
NVMe型フラッシュストレージを使用することで、以前なら不可能と考えられていたレベルまでストレージの統合ができる。だが、あらゆる統合の取り組みと同様にリスクがある。例えば、多数のワークロードが1つのシステムに存在することが問題になり得る。リスクを低減するためには、適切な高可用性機能を備えた高品質のシステムを利用すればよいだろう。
もっと重要な懸念は、ピーク時の負荷への対処方法だ。NVMeによって実現できる大規模な統合では、2つ以上のアプリケーションで同時にI/O要求が急増することがあり得る。さらに、それがネットワークとストレージの両方のI/Oパフォーマンスに影響する恐れがある。NVMe型フラッシュストレージは非常に応答性が高いため、ピーク時の負荷でもパフォーマンスには影響しないかもしれない。だが、IT担当者は、パフォーマンスに負荷がかかるのが最小限のリスクであっても考慮すべきだ。ネットワークとストレージの両方でQoS機能を求める必要がある。
ベンダーはさまざまな方法でQoSを実装している。あるベンダーは、リソースに制限がある場合に、優先度の高いアプリケーションがI/O容量の大半を確保するようにしている。また、常に特定量のIOPS(記憶媒体に対して1秒当たりのI/Oアクセス数)をアプリケーションが利用できるようにしているベンダーもある。基本的に、このシステムではI/O容量が多めに確保される。他には最小と最大のしきい値を設定できるシステムもある。そうすることで、各アプリケーションで指定したレベルを上回るパフォーマンスが発揮されないようにする。
最適な種類のQoSに対する判断は企業によって異なる。大抵の場合、単純に優先度ベースでI/Oを配分するシステムで十分だろう。だが、サービスレベルの目標を達成するために明確な保証を必要とする企業もある。
並列処理の向上がNVMe型フラッシュストレージの主なメリットだ。これにより、ストレージシステムではさまざまな種類のワークロードを多数処理できる。NVMeのメリットを引き出すには、企業はより多くのワークロードを統合しなければならない。データベース当たりのユーザー数と物理ホスト当たりのVM数を増やすことで、その密度を上げることが求められる。その純粋な効果として、NVMe型フラッシュストレージによって環境内の物理サーバ数が減るはずだ。同時に、アプリケーションで処理できる範囲が拡大される。
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