個人情報はどのように扱われているのか
Appleが「透明性レポート」公表 情報開示を求められるデバイス数が増加
Appleの2017年下半期透明性レポートは、米国の国家安全保障に基づく要請が増加したことを示した。専門家は、同社が開示すべき情報はまだ他にもあると指摘する。
Appleは、2017年7月1日から2017年12月31日を調査対象とした「Report on Government and Private Party Requests for Customer Information」(政府と民間団体からのカスタマー情報提供要請に関するレポート。以下、透明性レポート)を公開し、同社が世界各国の政府および民間団体から受けた要請について報告した。
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慎重な判断が必要な個人情報の取り扱い
同レポートによると、ユーザーのiPhone、iPad、Macに関する情報を求めるといった、デバイスに関する要請の総数は2016年下半期の3万184件から2万9718件に減少したが、要請に含まれるデバイスの数は15万1105台から30万9362台に倍増した。情報の開示を求められるアカウントの数も増加しているという。
Googleと同様、Appleも政府からの要請が増えている。Appleが2017年下半期に政府の要請に応じた割合は79%で、前年同期の72%より増加した。
Appleが要請に応じた割合は、複数の種類の要請で増加している。
金銭に関わる情報開示の要請に応じた割合は、前年同期の76%から85%に増加し、アカウント情報に関する要請に応じた割合は79%から82%に増加した。緊急の要請に応じた割合のみ、86%から82%に減少した。
Appleに対する米国の国家安全保障に基づく要請も大きく増加した。2016年下半期に受けた要請は5750~5999件で、同社はその多く(4750~4999件)に応じた。2017年下半期は、受けた要請が1万6000件超で、要請の対象となるデバイスも急増した。ただし、同社が情報提供に応じた要請はその約半分にとどまった。
法律事務所Goldberg & Clementsのプリンシパルで弁護士のリチャード・ゴールドバーグ氏は、米国政府からの国家安全保障に基づく要請と召喚状の多さに衝撃を受けたという。
同氏は「Appleは、表向きは政府からの要請に積極的に抵抗しているが、非公式の場合にも同じように抵抗しているかは不明だ。政府からの要請の多くは裁判所の許可を必要としない」と述べ、政府が裁判を通すことなく情報を収集している可能性を指摘した。
追加情報
ゴールドバーグ氏は「Appleの透明性レポートの一般的な情報は有用だが、行政召喚状については他の情報とは別に詳しく述べるべきだ」と述べた。
「行政召喚状は広い範囲に及ぶ可能性がある。当局による捜査が認められた対象に関連していれば、大陪審の手続きや訴訟の必要がないものも多いからだ。そうなると、政府はほとんど監視されずに一方的に情報提供を要請することができる。要請された側が抵抗すれば話は別だが、Appleがどのような選択をしているのかは不透明だ」
Appleによると、世界各地からの金銭に関わる要請の目的の大半は、クレジットカード犯罪や「iTunes」ギフトカード詐欺に関連するものであり、米国を含む複数の地域において「要請されたデバイス情報の多くは、デバイス修理詐欺や詐欺的購入、盗難の捜査を目的とするもの」だったという。
透明性レポートでは、暗号化によって米国連邦捜査局(FBI)やその他の法執行機関からはアクセスできないとしている多数のデバイスのデータが、具体的にはどのデータなのか不明である。Appleが法執行機関に提供したことを認めている「iCloud」のバックアップデータがどのデータに相当するのかも不明だ。
TechTargetがこの点をAppleに問い合わせたところ、「Legal Process Guidelines」(法的手続きのガイドライン)を参照してほしいとの回答だった。このガイドラインでは、Appleが法執行機関に提供する可能性のあるiCloudバックアップデータの種類として、登録者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、メールのログと内容、「iMessage」データ、ショートメッセージサービス(SMS)、写真、連絡先などが挙がっている。
Appleは今回のレポートで、2018年下半期のレポートから「法律またはポリシーの規定違反の疑いがある場合に、App Storeからのアプリの削除を求める政府の要請」について情報を追加するとしている。
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