どのような法的要請があり、どう開示したか
Amazonが「透明性リポート」公開、AWSユーザーが安心できない理由は?
Amazonは、同社が受けた法的要請についての「透明性リポート」を公開したが、このリポートには多くの疑問の声が挙がった。
米Amazon Web Services(Amazon)が公開した「透明性リポート」は、今までに同社が受けた情報の開示要請の中で最も詳細な情報を含んでいる。しかしそのリポートは、「Amazon Web Services」(AWS)の顧客に対しては、安心感をほとんど与えていない。
Amazonが半年ごとに更新するリポートでは、召喚状、捜査令状、その他の裁判所命令の合計数と、それらに対してAmazonが応じた数が併せて公開された。しかしデータは、AWSの顧客に適用された法的要請の数と、小売りのAmazon.comの顧客に適用された数が分けられていない。
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また、Amazonプライムの利用者の氏名や電子メールアドレスといった「非コンテンツ」に対してどのくらいの要請があったか、また、顧客のアカウントに保存されているデータファイルといった「コンテンツ」に対してどのくらいの要請があったかについても不明である。これらの言葉の定義はAmazonのリポートによる。
Amazon透明性リポートは正しい方向へのステップだ。しかしAmazon.comの小売り客に対する法的要請の数とAWSの顧客に対する数を分けることは、Amazonのクラウドにデータを保存するかどうか決めるために重要である、と米Virtualization PracticeでCEOおよびプリンシパルアナリストを務めるエドワード・ハレッキー氏は言う。
「AWSの顧客は、彼らのデータが消失するか読まれるのではないかということを心配している」と、ハレッキー氏は続けた。
Amazonは他の主要なテクノロジーベンダーほど協力的ではない。例えばGoogleは法的要請数、国別の要請件数、要請の種類、影響を受ける顧客数(場合によっては同時に何千人にもなる)を集計したスプレッドシートを公開している。
米Microsoftは2014年下半期から、一歩踏み込んだ透明性リポートを公開している。それはMicrosoftが法執行機関から、32人の企業顧客に関する3つの要求を受け取ったことを提示するFAQである。そのうちの2つのケースは、要請が却下された場合と、法執行機関の要求先が顧客に変わったケースだ。3番目のケースは、顧客が法的要求の通告を受けて、法執行機関に情報を提供するようMicrosoftに指示したというケースである。
しかしある企業ITの専門家は、最近の米国家安全保障プログラムにまつわるこれらのリポートを懐疑的に見ている。Amazonの透明性リポートの数字は、国家安全保障局から受けた要求の大まかな数を示すものであり、あまり意味がないと彼らは指摘する。実際にAmazonのケースを見ると「0~249」とあり、範囲が広すぎてほとんど意味をなさない。
「Amazonがこれを行っていることは結構なことだ。彼らはもっとやりたいと思っていると私は達観している」と、ITコンサルティング会社、米Cascadeoの共同創立者ジャレッド・レイマー氏は述べる。「しかし、全てを公表することを政府が許可しているとは信じ難い。私はこのリポートを信用できない」
Amazonの透明性リポートは安心を与えられるか
Amazonの透明性リポートが証明することの1つは、Amazonの顧客に対する法的要請はいかなる種類でも、比較的少ないということだ。例えば100万人のAWSの顧客や何億人もの小売りの顧客に対して、受けた召喚状の数はたったの813件だ。
「この数字は、私が予想していたより少ない」とハレッキー氏は言う。
また、Amazonのチーフ情報セキュリティオフィサーであるステファン・シュミット氏は、Amazon透明性リポートについてのブログ投稿で、米国家安全保障局の監視プログラム「PRISM」へのAmazonの関与をはっきりと否定した。
最近Amazonは、環境方針についての透明性の欠如でも非難されたが、この透明性リポートは、最近の製品の変化に伴い、Amazonに向けられた同様の非難に対して敏感になっている態度を反映している、とハレッキー氏は言う。
Amazonはまた、顧客がセキュリティ目的で自身の環境を簡単に監査できるよう、稼働している仮想プライベートクラウド(VPC)で、EC2インスタンスからエージェントを要求することなしにネットワークフローのログを利用できるようにすると発表した。
「これは、Amazonが顧客により多くのデータを提供するという意味で、とても重要なことだ」とハレッキー氏は言った。
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