ECがGoogleに科した罰金の帰結はAndroidの分裂か不自由な統一か、自由な断片化か

欧州委員会(EC)は、Googleに過去最高額となる43億4000万ユーロの罰金を科した。ECとGoogleの言い分の是非はともかく、両者の対立は何をもたらすのか。

2018年09月06日 08時00分 公開
[Cliff SaranComputer Weekly]

 欧州委員会(EC)が、Googleに43億4000万ユーロ(約5600億円)の罰金を科した。ECはその理由を、反競争的と見なされる契約条項の履行をGoogleがスマートフォンメーカーやネットワーク事業者に強制しているためとしている。

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 ECの発表によると、Googleは同社のモバイルOS「Android」用の汎用(はんよう)インターネット検索サービス、ライセンス指定可能なスマートフォンOS、アプリストアの各市場を独占しているという。さらに、汎用インターネット検索の独占的地位を固めるために同社が進めている3つの取り組みも問題視している。

 GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏は自身のブログでこの罰金について「今回の決定は、Androidスマートフォンが『iOS』スマートフォンと競争状態にある点を無視している。この点はEC独自の市場調査で回答者の89%が認めている」と反論している。さらに、Android機器を開発・販売する数千のスマートフォンメーカーやモバイルネットワーク事業者、Androidでビジネスを成立させてきた全世界の何百万ものアプリ開発者、最先端のAndroidスマートフォンを利用している何十億もの消費者に、Androidがいかに多くの選択肢を与えてきたかも見過ごしていると指摘している。

 「Androidであるが故に、そのスマートフォンを販売している企業だけでなく、複数の開発者による40を超えるアプリがプリインストールされた状態で手元に届く。プリインストールされているアプリ、ブラウザ、検索エンジンが好みでなければ、それらを無効にすることも削除することもできる。ヨーロッパでアプリを開発して生計を立てている160万人の開発者の誰かが開発したアプリを含め、他のアプリを選択しても構わない」(ピチャイ氏)

 だが、ECで競争政策担当コミッショナーを務めるマルグレーテ・ベスタエアー氏は、全てのAndroidスマートフォンに「Chrome」「Google Playストア」「Google検索」をインストールすることをGoogleがメーカーに強制していると説明する。

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