2018年09月04日 08時00分 公開
特集/連載

アルゴリズムのブレークスルーで量子コンピュータの実現に一歩前進必要なメモリを大幅削減

メルボルン大学の科学者たちが新たなアルゴリズムを編み出し、量子コンピューティングのシミュレーションに必要なメモリを大幅に削減。量子コンピュータの実現にまた一歩近づいた。

[Aaron Tan,Computer Weekly]

 オーストラリアのメルボルン大学の科学者たちは量子コンピューティングの威力を知るため、計算を完了するにはPC 10億台分以上のメモリを必要とする数学の問題を解くシミュレーションをスーパーコンピュータで実施した。

 量子コンピューティングは、複数の状態のデータを符号化し処理するアトムで表される量子ビットを使って問題を解決する。一方「従来型」のコンピュータは、1と0で表されるバイナリビットで処理を進める。

 同大学量子コンピューティングおよび通信技術センター(the Centre for Quantum Computation and Communication Technology)の副所長ロイド・ホレンバーグ教授の指導下で、科学者たちは60量子ビットの量子コンピュータの出力をシミュレートした。パースのPawsey Supercomputing Centreで行われたこのシミュレーションには、従来型コンピュータのメモリを最大1万8000P(ペタ)B使用したと推察される。

 今のところ、最先端の量子コンピュータでも50量子ビットのランダム状態をシミュレートすることしかできないが、ホレンバーグ教授のチームは特殊なアルゴリズムを実行することで新たな地平を切り開いた。量子の状態はもはやランダムではなく、必要なメモリも13.8TBに減らすことができたという。

 このアルゴリズムは「乗算すると半素数である96万1307に等しくなる2つの素数を見つける」というもので、同大学の大学院生エイダン・ダン氏が作成した。

 この問題は、インターネットセキュリティの中枢部分にある。そこに桁数の非常に多い、大きな値が使われるからだ。そのセキュリティキーを突破する因数を計算で求めることは、従来型のコンピュータでは事実上不可能だ。最近発表されたレポートの中で、同大学はこのように説明している。

 このレポートにはまた、次の記述もある。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






ITmedia マーケティング新着記事

news113.jpg

日本のスマホ決済アプリのインストール数は75%成長 バンキングアプリ利用も急増――Adjust調査
2020年上半期は特に日本において、新型コロナの影響でファイナンスアプリの利用が活発化...

news048.jpg

ニューノーマル初の年末商戦 成功の鍵は「送料無料」と「低価格」、そして……――Criteo予測
コロナ禍の収束が見通せないながらも、人々の消費は少しずつ動き出しています。ホリデー...

news177.jpg

広告業界の倒産、4年連続増加の可能性も――帝国データバンク調査
広告関連業者の倒産動向調査(2020年1〜9月)の結果です。年末に向け、新型コロナウイル...