量子コンピューティングの競争が進む中、ポスト量子暗号への関心が高まっている。最高情報責任者(CIO)と最高情報セキュリティ責任者(CISO)がこの流れに乗り遅れないための方法を解説する。
コンピュータにおける量子技術が飛躍的進歩を遂げるのはまだ数年先になるだろう。だが、研究者や専門家は、量子コンピューティングが主流になった場合に企業のデータ暗号化にどのような影響が及ぶかを既に調べ始めている。今こそ最高情報責任者(CIO)と最高情報セキュリティ責任者(CISO)が量子コンピューティングに関する知識を蓄え、ポスト量子暗号への取り組みを監視すべきときだ。そう話すのは、ガバナンス組織ISACAの理事会の次期会長で、データ保護企業Titusの取締役を務めるロブ・クライド氏だ。
「CIOやCISOは、量子コンピュータがどの程度実用化に近づいているか専門家に聞き、量子コンピューティングの進化のペースを見守る必要がある。個人的には、7〜15年の間に実現すると考えているが、それが6年後になっても驚きはしない」(クライド氏)
本稿では、クライド氏にインタビューをして、CIOとCISOがポスト量子暗号の導入に備える戦略について話を聞いた(注)。同氏は、暗号化データのインベントリを作成し、ポスト量子暗号アルゴリズムが実用化されたらベンダーが即座に適応できることを確認しておくことが極めて重要だと話した。また、プライバシーへの関心の高まりが企業の暗号化戦略を動かす仕組みについても発言している。
注:このインタビューは抜粋です。
――CIOやCISOは量子コンピューティングと、それが企業のデータ暗号化に及ぼす影響に対してどのように備えるべきですか。
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