米連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪報告書によると、2017年の「ビジネスメール詐欺」(BEC)による損失は6億7600万ドル以上に達した。BECの現状と対策のポイントを解説する。
保険会社Beazleyの調査レポート「Beazley breach insights」の2018年7月版によると、「ビジネスメール詐欺」(BEC)が増加の一途をたどっている。その背景には何があるのか。BECは、人の心の隙を突く「ソーシャルエンジニアリング」による問題としての側面と、技術的な問題としての側面のどちらが強いのか。
ソーシャルエンジニアリングの手法を駆使して標的をだまし、犯罪者一味の一員の口座や住所に、資金や物品を送らせる詐欺が、BECだ。その横行を伝える報告書は、Beazley breach insightsだけではない。メールセキュリティベンダーのAgari Dataも自社の調査報告書で、2017年下半期に企業の96%がBECの標的にされたと推計している。
BECを仕掛ける攻撃者は、事前に標的の詳細情報を調査する。企業Webサイトやインターネット検索、ソーシャルメディアを通じて、企業の役員の名前と肩書、業務スケジュール、組織構造に加え、商品/サービスの詳細などを収集する。これらの情報を使って、正規のビジネスメールそっくりのメールを作成する。これらのメールは、上級経営幹部や実際のパートナーから送信されたように装い、受信者に対して支払いや物品の発送を依頼する内容となっている。場合によっては、攻撃者はこうしたメールを送信した後、電話でフォローの連絡をする。
インターネット犯罪についてまとめた米連邦捜査局(FBI)の報告書「2017 Internet Crime Report」(2017年版)によると、BECの詐欺メールは以下の5種類に大別できる。
同報告書によると、2017年にはBECとメールアカウント侵害による損失が6億7600万ドル以上に達した。小企業から大企業まで合計1万5690件の被害報告があり、業種による被害件数のばらつきはない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年3月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
Cookieレスの時代 「リターゲティング広告」にできることはまだあるか?
プライバシーの在り方が見直されようとしているこの変革期をデジタル広告はどう乗り越え...
ドン・キホーテが「フォートナイト」に登場 狙いは?
「フォートナイト」のインタラクティブな体験を通じて、国内外の若年層や訪日観光客との...