AI技術の活用も進展
「仮想デスクトップはクラウドで」が常識に? 2018年のクライアント環境動向
クライアント環境は2018年にどのように進化したのだろうか。人工知能(AI)技術の飛躍的進歩やホスト型デスクトップの進化、新しい管理方式の登場などを振り返る。
企業のIT部門の状況は、2018年の間に大きく変わった。クライアント環境はさまざまな方面で進歩し、クラウドサービスの種類が増え、機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術の活用が進んだ。改良された製品もあれば姿を消した製品もあり、これまで気付いていなかった課題を解決する新製品も登場した。
振り返ってみると、2018年はAI技術が躍進した1年だった。以前からあった技術だが、この1年はベンダーとユーザー企業からの注目がこれまでにないほど集まり、IT戦略にどう活用できるかという関心が高まった。
クライアント環境の分野では、IT担当者がエンドユーザー管理の問題特定やトラブルシューティングなどに、AI技術を活用できるようになった。エンドユーザーはAI技術を実装したビジネスアプリケーションを使い、日常業務で取り扱うデータの処理や分類、分析作業を改善できるようになってきている。
「的確なタイミングで必要な情報を入手できることは、従業員の意思決定の質を向上させ、会社全体のパフォーマンス向上につながる」。調査会社Lopez Researchのプリンシパルで創業者のマリベル・ロペス氏は、こう述べる。
専門家は、AI技術の将来性とITの仕事に悪影響を及ぼす可能性について議論している。AI技術の活用は、今後さらに発展するだろう。
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クライアント技術の基礎解説
デスクトップはクラウドへ
ホスト型デスクトップも大きく進歩した。MicrosoftがDesktop as a Service(DaaS)の「Windows Virtual Desktop」を発表したことは、DaaS市場に大きな変革をもたらし、クラウドホスト型デスクトップの新時代の幕開けとなった。企業はオンプレミスの仮想デスクトップインフラ(VDI)製品を導入する代わりに、DaaSを使うことを検討し始めている。
Microsoftはクラウドサービス群「Microsoft Azure」とオンラインオフィススイート「Office 365」に加え、継続的更新モデルを採用する最新OS「Windows 10」を売り込んでおり、クラウド戦略を強化している。Windowsを利用する企業のクライアント環境に関する戦略は、“クラウドオンリー”という選択肢の検討を迫られるだろう。
「Microsoftの方向性はこれで一層はっきりした。企業は決断を迫られている」。フリーランスのテクニカルライター兼コンサルタントのジョン・ハッセル氏は、こう説明する。
クライアント環境の担当者は、別の問題に関しても毎年決断を迫られている。サポートが終了する製品の扱いと、新しいデバイスの導入だ。「Windows 7」のサポートは2020年1月に終了する。企業はWindows 10へ移行するか、Appleの「macOS」やVDIへ切り替えるかを考えなければならない。
私物端末の業務利用(BYOD)を解禁し、従業員が使用する機種の選択肢を広げたい企業にとって、Appleの「Mac」は魅力的だ。アプリケーション仮想化を利用している企業にとって、2018年6月の「XenApp 6.5」(XenAppは「Citrix Virtual Apps」に名称変更)のサポート終了は、アプリケーション配布方式全体を見直す要因となった。
Windowsアプリケーションの管理手段を、Microsoftの「System Center Configuration Manager」をはじめとするオンプレミスの管理製品から、クラウドを使った新しい管理サービスへ移行することについても、専門家の注目を集めた。
「データをどこに保存するとしても、現在の社内インフラで行き詰まるよりも、アプリケーション管理をクラウドに移す方が最終的には利点が大きい」。アプリケーション仮想化の導入支援を手掛けるTMurgent Technologiesの創業者、ティム・マンガン氏は、こう説明する。
クライアント環境は、古い形から新しい形へと進化を続けている。2019年からその先までエンドユーザーの生産性向上をサポートするために、IT担当者はこれからも新しい技術を学んでいかなければならない。
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