自動索引生成やIoTデータの高速取り込み
徹底解説:Oracle Database 19cは何ができるのか?
「Oracle Database 19c」は最新のソフトウェアが安定して動作することを目指している。それだけでなくデータベース管理者にとって便利な追加機能も提供する。
2019年前半に「Oracle Database 19c」(以下、Oracle 19c)は、多くの新機能や改良を持ち込んでリリースされる予定だ。詳細はまだ公表されていない。Oracle 19cに関する情報の大部分は、2018年10月に開催されたOracle OpenWorld 2018でのセッション時点のもので、それ以降重要な新しい情報は入ってきていない。
Oracleによると、Oracle 19cはさまざまな機能を追加することよりもソフトウェアの安定性を向上させることを目的としている。この新バージョンは「Oracle Database 12c Release 2」製品ファミリーの最後の製品となる予定だ。バージョンが12から19に飛んでいるのは、2018年からリリース年に応じたバージョン名に命名ルールを変更したためだ。間に「Oracle Database 18c」を挟んでいるため、Oracle 19cは実質Oracle Database 12c Release 2の2つ後のバージョンと考えて問題ない。
ここでは、Oracle 19cリリースで予想されている概要を説明する。ただし現在ベータテスト中の新技術が一般に利用可能になる前に、その内容が変更される可能性がある。
クエリ実行計画の自動テスト
Oracle 19cは、旧バージョンからアップグレードする前にデータベース管理者(DBA)が実施していた「新しいクエリ実行計画に対して手動で回帰テストを実行する」必要がなくなった。Oracle 19cに組み込まれた新機能では、既存のクエリ実行計画に対して自動的にチェックした後に現在の計画を置き換えることができる。
新しい実行計画を作る場合、一般的に実行速度が落ちる。だが、この機能を使えば新しい実行計画への切り替えと、アップグレードしない場合のメリット(高速な処理)を両立できる。DBAが何もしなくても、クエリが以前と同じかそれ以上の速度で実行されるということだ。
クラウド内のワークロードの分離
DBAはOracleが提供するPaaS(Platform as a Service)「Oracle Cloud Platform」専用のDB管理システム「Exadata Cloud Service」上にアプリケーションを配備できるようになる。Oracle 19cに、Oracleが提供する自律型データベース(DB)の「Oracle Autonomous Database Cloud」を組み込むことで実現する。これにより、分離されたコンピューティング環境でワークロードを実装できる。
また、「Cloud at Customer」プログラムの一部として、自律型トランザクション処理および自律型データウェアハウスのクラウドサービスを実行しているシステムを、独自のデータセンターに組み込む(インストールする)こともできる。
自動索引生成
Oracle 19cで提供される機能について最も話題にされている機能の1つは自動索引生成だ。
Oracleは、これは一般的なSQLチューニング方法に基づいているとしている。その違いは、プロセスが手動ではなく完全に自動化されることだ。Oracle 19cは、候補索引を識別し、その有効性を検証して、オンライン検証を実行してから、必要に応じて索引を実装する。さらに、全ての調整作業はデータベースシステムのレポート機能で監査可能だ。
Data Guard DMLリダイレクト
Oracle Data Guardは、DBの高可用性と障害復旧を目的とする、スタンバイDBのインストールと管理、監視ができるアドオンソフトウェアだ。スタンバイDBとは本番データベースのトランザクションコピーのことだ。Oracle 19cのリリースでは、Oracle Data Guardはデータ操作言語(DML)リダイレクトができるようになる予定だ。
Oracle Data Guardは、データの変更が適用されるプライマリーDBにステートメントをリダイレクトする。更新されたデータは、冗長性を維持するためにスタンバイデータベースにストリーミングで戻される。
Easy Connectの機能強化
Oracle 19cには、Oracleの「Easy Connect」命名方法に対する改善も含まれる。EZConnectとも呼ばれるこのアプローチでは、TCP/IPネットワークを介してOracleデータベースに接続するプロセスが合理化され、ユーザーは接続先情報管理ファイル「tnsnames.ora」を検索する必要がなくなる。
Easy Connectの構文は、Oracle 19cで単純化される。さらに、Oracleでは、接続文字列に複数のホストとポートを含めるためのサポートを追加する予定だ。これにより、クライアント接続の負荷分散が容易になる。Easy Connectアダプターは「CONNECT_TIMEOUT=60&RETRY_COUNT=3」などの名前と値のペアのリストも受け入れる。
IoTデータの高速取り込み
他の多くのテクノロジーと同様、Oracle DatabaseもIoTデータの取り込みに対応している。IoTデバイスからのストリーミングデータ取り込みのパフォーマンスを向上させるために、Oracleは、IoTワークロードへの「メモリ最適化アクセス」を19cで実現する。クライアントはメモリ中のバッファーに直接書き込みするが、書き込みは延期されて、その後バッチで処理される。全てがOracleの計画に沿って実行されることになり、挿入スループットが向上する。
その他の機能
Oracle 19cには、他のさまざまな機能強化も組み込まれる予定だ。これらの追加機能には、パーティション可能な「ハイブリッドテーブル」、統計のみのクエリ、データディクショナリの暗号化機能、JSONデータの部分更新のサポート、コンテナデータベースの中で構築できる仮想DB「プラガブルデータベース」の拡張機能、DBのテスト機能である「Oracle Real Application Testing」が含まれる。
新機能および更新された機能に加えて、Oracle 19cは長期サポートリリースの対象になっている。これにより少なくとも2023年3月までは「Oracle Premier Support」を受けられる。
Oracleがこれまで述べてきた内容は、Oracle 19cがリリースされるか、またはOracle Autonomous Database Cloudのサービスとして配備されるまでは、完全に確定しているわけではない。それまでは、Oracleからの詳細発表または初期ユーザーからのレポートを待つ必要がある。Oracle 19cソフトウェアを試してみたい場合は、ベータプログラムに参加してみてはどうだろうか。
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