IBMとOracleはレガシーシステムからの脱却を目指しIaaSに力を入れているが、簡単には進まないだろう。ただ、両ベンダーには、クラウド市場全体で力を発揮できる分野がある。
OracleとIBMはどちらもレガシーなITベンダーだ。その両ベンダーが、市場をリードするクラウドサービスベンダーへの転換を試みている。両ベンダーのクラウド戦略について進化のペースは異なっている。それぞれに強みと欠点がある。そしてどちらも、特にIaaS(Infrastructure as a Service)市場において「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」などに、どのように追い付くかという課題に取り組んでいる。
「IaaSサービスの構築は難しい。多くのベンダーがこの分野で悪戦苦闘している」と話すのは、調査会社Gartnerでバイスプレジデント兼アナリストを務めるリディア・レオン氏だ。
Oracleは、仮想マシン(VM)、データベース、ストレージをサポートする幾つかのIaaSサービス運用をしている。同社はサービス運用当初社内のリソースを利用してIaaSサービスの作成を何度か試みた。だが、数年前別のアプローチに切り替えた。
「OracleはAWSの幹部を大量に引き抜き、シアトルで最先端技術開発プロジェクトを立ち上げた」(レオン氏)
その後、2016年に最新のフラットなソフトウェア定義ネットワーク(SDN)を土台に構築した次世代IaaS基盤を発表するに至った。こうした進化によってパフォーマンスと応答時間を向上できるようになり、特にEコマースなどのトランザクション指向のアプリケーションにメリットをもたらした。全般的に、OracleのIaaSサービスは信頼性が高い。だが、多様性と機能性の点で市場リーダーに依然として後れを取っているとレオン氏は言う。
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