激戦のクラウド市場、IBMとOracleが勝てる分野はここにあるレガシーシステムを持つ企業は期待している

IBMとOracleはレガシーシステムからの脱却を目指しIaaSに力を入れているが、簡単には進まないだろう。ただ、両ベンダーには、クラウド市場全体で力を発揮できる分野がある。

2018年09月28日 05時00分 公開
[Paul KorzeniowskiTechTarget]
画像 進化するインフラ市場に後れを取っている?

 OracleとIBMはどちらもレガシーなITベンダーだ。その両ベンダーが、市場をリードするクラウドサービスベンダーへの転換を試みている。両ベンダーのクラウド戦略について進化のペースは異なっている。それぞれに強みと欠点がある。そしてどちらも、特にIaaS(Infrastructure as a Service)市場において「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」などに、どのように追い付くかという課題に取り組んでいる。

 「IaaSサービスの構築は難しい。多くのベンダーがこの分野で悪戦苦闘している」と話すのは、調査会社Gartnerでバイスプレジデント兼アナリストを務めるリディア・レオン氏だ。

 Oracleは、仮想マシン(VM)、データベース、ストレージをサポートする幾つかのIaaSサービス運用をしている。同社はサービス運用当初社内のリソースを利用してIaaSサービスの作成を何度か試みた。だが、数年前別のアプローチに切り替えた。

 「OracleはAWSの幹部を大量に引き抜き、シアトルで最先端技術開発プロジェクトを立ち上げた」(レオン氏)

 その後、2016年に最新のフラットなソフトウェア定義ネットワーク(SDN)を土台に構築した次世代IaaS基盤を発表するに至った。こうした進化によってパフォーマンスと応答時間を向上できるようになり、特にEコマースなどのトランザクション指向のアプリケーションにメリットをもたらした。全般的に、OracleのIaaSサービスは信頼性が高い。だが、多様性と機能性の点で市場リーダーに依然として後れを取っているとレオン氏は言う。

サービスとアウトソーシングのサプライヤーへと進化

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news070.jpg

CMOはなぜ短命? なぜ軽視される? いま向き合うべき3つの厳しい現実
プロダクト分析ツールを提供するAmplitudeのCMOが、2025年のマーケティングリーダーに課...

news214.jpg

トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。

news129.jpg

「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。