用途はセキュリティ対策だけではない
患者の気持ちをリアルタイム検知 「顔認証技術」の医療利用シーン4選
医療機関で顔認識技術を利用すれば、患者の感情を分析したり、入院患者の居場所の特定を容易にしたりできる可能性がある。デバイスや施設のセキュリティ対策だけではない、顔認識技術の利用方法について考える。
顔認識技術といえば、セキュリティ対策や犯罪対策に使われるイメージが強いだろう。これらの用途で顔認識技術を利用する場合、取得した顔画像のデータを照合して要注意人物を特定するといった使い方が考えられる。英国や中国など、監視カメラを使った顔認識システムの犯罪捜査への活用を模索している国もある。
ここ数年、医療業界では顔認識の利用が増加している。その一因は、人工知能(AI)技術の進化によって顔認識の用途が増えたことにある。市場にはAIエンジンを搭載した顔認識製品が登場している。そのため医療機関では、セキュリティ以外のさまざまな用途で顔認識の利用を検討できるようになった。ここからは、医療業界で顔認識技術が役に立つ4つの場面を紹介する。
1.ワークステーションやノートPCの生体認証
生体認証に顔認識技術が使われることがある。顔認識技術があれば、PCの内蔵カメラを利用して、端末にログインを試みるユーザーの検出と認証ができる。Microsoftはこの技術を同社の最新OS「Windows 10」に搭載した。ユーザーは顔認識機能「Windows Hello」をワークステーションやノートPCの認証に利用できる。Appleの「Face ID」も顔認識を利用した生体認証機能の一つで、同社製のスマートフォンやタブレットに搭載されている。
顔認識技術を使った生体認証は、従来のパスワードベースの認証方式と比べてユーザーへの負担が少なく、多要素認証の2つ目、3つ目の認証要素として扱いやすい。こうした特徴は医療機関に限らず、幅広い組織に利便性をもたらす。
2.病院施設のセキュリティ確保
警察組織は顔認識技術を利用して、捜査対象の施設を訪れる全ての人物の顔を要注意人物の一覧と照合し、該当する人物を発見/特定できる。医療機関がこの技術を利用する場合、薬物の入手のみを目的とする来院者や、以前病院から退去を命じられ立ち入り禁止になっている人物を特定しやすくなる。
3.感情の分析と検知
顔認識技術によって、リアルタイムでの感情検知が可能になる。患者が院内で見せる多くの感情を検出/特定し、このデータを分析してその患者の状態を判断できる。分析結果は、患者が痛みや悲しみを感じているときに、どこに目を向けるべきかを特定するのに役立つ。
4.来院者の属性分析
最近、Intelは顔認識技術を使った新しいアプリケーションを披露した。病院でこのアプリケーションを実行することで、患者や来院者の属性を特定し、年齢や性別に基づく統計を得られる。病院施設は物理的な追跡デバイスを利用することなく、患者の動向を追跡できる。これは介護施設や外来患者向けの介助施設で、患者の居場所を見つける便利なツールになる可能性がある。
医療分野にとって幸いなことに、顔認識技術は、小売業や警察機関で普及したおかげで成熟度を増している。プライバシーとセキュリティへの関心が大きいものの、医療機関での顔認識の有益なユースケースは数多くある。
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