5つの理由を整理
クラウド形式の統合コミュニケーション「UCaaS」がSMBにも大企業にも受ける理由
コラボレーションニーズの高まりにつれて、「UCaaS」の採用が全ての市場セグメントで進んでいる。ただしユーザーの企業規模によって、その実態は異なる。
ビジネスにおける優先度の変化により、モバイルワーカーをサポートできる高度なコラボレーション機能とクラウドサービスのニーズが高まってきた。こうした中、あらゆる規模の組織が、オンプレミスのユニファイドコミュニケーション(UC)製品から、UC製品の機能をクラウドサービスとして利用できる「UCaaS」(サービスとしてのUC)へ移行している。
調査会社Synergy Research Groupのレポートによると、UCaaSを最も早期に採用したのは中堅・中小企業(SMB)で、UCaaSユーザー企業の大多数を占めている。一方で大企業のUCaaSの採用も大幅に増加しているという。レポートによると、UCaaSを利用する大企業の数は2018年に57%増加した。
これまで企業の間では、高度な制御性とカスタマイズ性から、オンプレミスのUC製品が好まれる傾向があった。調査会社Frost&Sullivanのアナリスト、エルカ・ポポバ氏によると、高度な通信機能やモバイル関連機能などを提供するUCaaSの需要が高まっているという。「リモートワーカーやモバイルワーカーの増加、従業員へのミレニアル世代の流入、ビジネスのグローバリゼーションとローカライゼーションが、クラウドサービスに対する強い需要を生み出している」とポポバ氏は述べる。
併せて読みたいお薦め記事
「UCaaS」についてもっと詳しく
- クラウドベースのコミュニケーション「UCaaS」と「CPaaS」を比較する
- UCaaSとCPaaSのどちらを選ぶべきか、最も無駄のない考え方
- 中堅企業で人気の「UCaaS」導入ステップ、多機能もしくは無料サービスから検討
コミュニケーション/コラボレーションのトレンド
クラウドUCの採用を推進する要因
企業におけるワークスタイルの変化が、全てのビジネスセグメントにおいてUCaaS採用推進の主な原動力になっている。Frost&Sullivanの調査によると、企業がUCaaSを採用している主な理由は、以下の5つだ。
- IT管理の容易化
- セキュリティの強化
- コアビジネスへの注力の強化
- リモートワーカーとモバイルワーカーのサポート
- 費用対効果の高いスケーラビリティ
ポポバ氏によれば、業界固有の要件を満たすためにオンプレミスUC製品の使用を継続する企業もある一方、UCaaS市場は2024年まで2桁成長が続く。
Synergy Research Groupの社長兼アナリスト、ジェレミー・デューク氏によると、大企業向けのUCaaSマーケットでは製品の未熟さが原因で導入が進まなかった。だが今は、UCaaSベンダーは大企業が必要とする成熟したサービスを提供できるようになった。「生産性向上ツールやコラボレーションツールの提供という点で、従来のUC製品ベンダーの大多数が立ち遅れている。そのためUCaaSベンダーがその穴を埋めている」とデューク氏は言う。
UCaaSベンダーが提供する製品は、ビデオ通話やチャット、コールセンター、レポート作成・分析、モバイルワークのサポートなど需要の高い機能が含まれている。これらの機能によりUCaaSは、従来のコミュニケーション製品が提供できない最適化とコラボレーションの機能で優位に立つことができる。
Frost&Sullivanの調査でも企業は、サービスの信頼性やコラボレーションツール、セキュリティ、サードパーティー製品との相互運用性などの機能を重視していることが明らかになった。UCaaSベンダーは、より多くのツールや機能を顧客にワンストップで提供するために、相互運用性の向上を図って需要に応えてきた。
クラウドUCベンダーのすみ分け
UCaaSの採用は、あらゆる規模の事業で拡大傾向にある。主力ベンダーはユーザー企業の規模によって異なる。Synergyのレポートによると、Mitel Networksは、従業員数100人未満のSMBで最も多く採用されてきたベンダーだ。
MitelがShoreTelを買収したことで、両社の製品を組み合わせ、既存のインフラを利用してShoreTelのUC製品へのハイブリッドアプローチを最大限に活用できるようになり、UCaaS市場でのシェアが拡大した。デューク氏によると、RingCentralや8x8などの競合企業が従業員数100~999人のSMBに集中していたため、MitelはSMB市場をリードできたという。
従業員数が1000人を超える大企業向けのトップベンダーは、Fuze、RingCentral、8x8、Mitelだ。デューク氏によるとFuzeは、大企業をターゲットにして、チームコラボレーションやコールセンター、アナリティクスなどの製品をいち早く市場に投入したUCaaSベンダーの一社だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社マクニカ] アイカ工業に学ぶ脆弱性対策 情シスが把握できずにいたアセットも正確に把握 -
製品資料
[株式会社マクニカ] 「脆弱性総まとめ」解説 被害事例から考える必須の対策ポイント -
製品資料
[Splunk Services Japan合同会社] サイバー脅威「トップ50」完全解説ガイド、新たな攻撃手法に対抗するには -
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」完全ガイドブック:メリットから資格取得のポイントまで -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] はじめての「自治体/官公庁入札」 必要な知識がすぐに学べる入門ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
2
「ITインフラとデータ保護・バックアップ対策」に関するアンケート
-
3
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
4
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
5
エージェンティックAIで、コンタクトセンターの「おもてなし」をどう進化する?
-
6
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
-
7
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
7
PostgreSQLの「機能」「性能」「運用」「拡張性」に関する悩みの解消法
-
8
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
9
Macの安全神話は崩壊? 最新の脅威動向から見えた攻撃のトレンドと有効な対策
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー